自宅からJR六甲道に向かう時に、
いつも通る幹線沿いで、
ここ2年くらいの間に、
パタパタパタと幾つかのお店が無くなった。
「脱サラ」風の夫婦がやっていた蕎麦屋さん。
結構長くやっていて何度も買った、
ケーキ屋さん。
若いお兄ちゃんがやっていた、
ハンバーグのお店。
これらはもう全て閉店した。
今もまだテナントは閉まったままだ。
他にも幾つかのお店が同じように。
だから最近ここを通ると、
なんだか寂しい。
それから、
その幹線沿いから少し離れたところにあった、
この市場。
昭和の中頃にはきっと賑やかだったのだろうなぁ。
僕がこのあたりに越して来たときにはもう寂れていた。
そして、二年近く前に更地になっていたので、
今はもう何か建っているかもしれない。
やっぱりマンションかなぁ。
マンションだろうなぁ。
そして、
JR六甲道の高架下にあったファミレス。
ここは短命だった。
この店になる前はたしか中華料理店で、
10年くらい前にこれになって、
3年も営業していなかったのじゃないだろうか。
今は大衆チェーン居酒屋みたいな店になっている。
無くなると、
どんどんと記憶から薄くなっていって、
よく行ったとか何か思い出があったとか、
そういったものが無い限り、
そこにどんなお店があったのか、
すっかり解らなくなることもあるので、
こうやって写真に残されている所は、
幸運な方かもしれない。
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もちろん、
無くなってもちゃんと憶えているお店もある。
けど、
写真に写して残していることは、
あんまり無かったりする。
特に携帯やデジカメが登場する前は、
フィルム代や現像代が必要で、
気前よくバカスカ写すのも勇気がいったので、
今のように手軽でなかったということもある。
だから、
場所と店は憶えていても、
その姿をもう一度目で見ることは出来ない。
将来「Google タイムマシンストリートビュー」
というものが出てこない限り、
ムリだなぁ。
でも時々、
「あー、ここにあの店があったなー、
よく行って利用したなー。
あそこの細部はどうなっていたっけかなー、
もう一度あの時の姿を見てみたいなー」
なんて思うことがある。
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三宮には昔、
小ぶりな本屋さんが結構あった。
そのうちの1つの本屋さんを、
今でもその近くを通ると思い出す。
でも、なんだか、
「ほんとにそこに本屋さんがあった」
とは思えないような変わり様だ。
地下の「さんちか」からエスカレーターで上がって、
交通センタービルの出入り口のスペースから、
JRと阪急の方に向かって登る階段。
この、
階段と平行して設置されている、
奥のエスカレーターを上がって、
クリッと左に振り向くとそこに、
入り口が狭く奥に細長い小さな本屋さんがあった。
今は、
交通センタービルの南の大きな道路をまたぐ、
歩道橋に繋がる通路になっているけれど、
ここに、その小さな本屋さんの入り口の、
数段の小さな階段があったのだ。
よく学校の帰りに三宮で寄り道して、
その帰りにその本屋さんをフラッと覗いたり、
三宮に着くとまずこの本屋さんに入って、
情報誌を立ち見して映画のスケジュールを確認したりもした。
トントンと数段の階段を上がると、
入ってすぐ右にレジがあって、
その前に情報誌や雑誌、
奥に行くと単行本や文庫本などがあったんじゃないかなぁ。
でも、その入り口の感じや店内の様子は、
もう、アタマの中におぼろげにしか無い。
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まぁしかし、
そうやって流れて記憶から薄れていくのが、
普通といえば普通。
けれど、
ちょっと逆らって残しておきたくて、
この頃、あちこちを写している。
が、
本当は、
ここから先よりも、
やはり、
ずっともっと以前が見たいんよなぁ。
やっぱり、
「Google タイムマシンストリートビュー」
だなぁ。
そんなこんなです。
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