ワタシの道具たち(その3)
Mac
このシリーズ、今回は、
Macです。
そう、アッブル社のパソコンです。
思えばMacとの付き合いも長くなりました。
これが今使っている「iMac G5」というMacです。
けれど、機種自慢もスペック自慢も普段からあまりしません。
とにかくMacは、
仕事に使ったり、絵を仕上げたり、アニメーションを作ったり、
ウェプをデザインしたり、デジカメやスキャンした画像を加工したり、
メールなどで人とコミュニケーションとったり、
ウェブなどで情報を観たり、
そんなこんなをする為の道具です。
もちろん、他の道具と同じく愛着はあります。
でも、他よりもお金と手間のかかるヤツでもあります。
そもそも昔のボクは、
文系の「アナログくん」で(今でも根っこはそう)、
「パソコン」と聞くだけで「ムツカシソー」と思ったりしてました。
で、今から20年前くらいの1988年ごろに、
のちに契約社員となる会社のバイトで、
あるイベント用にパソコンを使って画面を作ってほしいと言われて、
それに使用した新品の「EPSON PC」というパソコンを、
アルバイト料代わりにもらったのが最初のパソコンでした。
それは、当時ビジネスなどでは主流だった、
NECの「PC-9800シリーズ」というパソコンと、
(昔、どこの事務所にも1台はあったアレね)
同じソフトが使えるパソコンだったのだけれど、
MS-DOS(Windowsの前身のOS)はコマンドを覚えるのが面倒だったし、
プログラミングなどにもトライしてみたけれど手間ですぐに飽きちゃったし、
結局、ペイントソフトを使ってその会社の仕事に使うだけでした。
しかも、色は16色、
音だって「ピッ」とか「ポッ」とか言うくらい。
基本的に、ボクとパソコンの垣根は、
高いままでした。
しばらくしてそのパソコンの仕事を通じて、
のちに一緒にCD−ROM作品作りを一緒にすることになる、
ハルナと知り合います。
で、仲良くなった頃に彼がこう言うんです。
「Macってすごいよ。Mac買って一緒に何かしようよ」と。
当時、すでにMacというモノ自体は知ってました。
その会社の違う部署で英文コピーライターの人たちが、
文章を打つのに小さなMacを使っていたのを、
「あれってなーにー?」なんて風に遠くから眺めたりしてました。
でも、そんなにスゴイとは知らなかった。
ので、しばらくしてハルナに見せてもらいました。
そのMacは箱形で小さなモニターと本体が一緒になっていて、
まず立ち上げたら「ポーーン」なんて音がして、
デスクトップが現れてそこでフォルダやファイルを、
マウスで感覚的に操作できる、それがまず「おおっ」でした。
(Windowsが発売されるのはそれから数年先です)
そして、白黒画面ではありながら、
簡単なアニメーションが動いたり、
そんなにキレイではないけど写真も表示できたり、
そして、「ピッ」とか「ポッ」とかではなくて、
ちゃんと録音した音や声が再生できたりしました。
今では当然だけれど、約20年前です。
「おおーっ」と思いました。
それになんだか「遊びゴコロ」が満載で、
「機械」というより「友達」みたいな雰囲気が当時のMacにはありました。
「うーん、Macほしい」とそう思いました。
で、1990年暮れに、ハルナの上司から中古で手に入れたのが、
この「Mac SE」でした。
まだ引っ越して間もないこの部屋に、
ハルナがわざわざ持ってきてくれて、
そのあと忘年会に突入したのを覚えてます。
中古でも35万円。(でも新品で買ったら倍以上したと思う)
画面は9インチのモノクロで、
まだプリンタもスキャナも何もなくて
ハードディスクに入っているソフトで絵を描いたり、
ゲームで遊んだりするだけ。
だけどそれでも、
タノシクてタノシクて毎晩遅くまで触っていました。
もしかしたら、この「Mac SE」の時が、
一番純粋に楽しかったかもしれません。
このころからグラフィックデザインの世界でも、
そろそろMacが使われ始めます。
でも、僕の方は、
ハルナとの「マルチメディア作品」作りに進んでいくことになります。
「もっと本格的にいろいろしよう。だから、カラーが使えるMacを持って」
ということで、1992年に、
今度はハルナの使っていたMacを中古で買うことにしました。
それがこの「Mac SE30」です。
右に置いているのがそうです。
形はほぼ「Mac SE」と同じだけど、
外部モニターをつないでカラーを表示することが可能でした。
(ちなみに、写真がモノクロなのは当時「白黒写真」に凝っていたから)
うん、これでアニメーションを作り始めたんですよ。
はじめて作った「CHUN-CHUN WORLD」がコンテストで入選して、
続いて作った「ファンキー・ブラザース」も別のコンテストで入選して、
そのあとハルナと共同で作ったマルチメディア作品「折り紙」が、
雑誌のコンテストでグランプリを受けます。
短期間でアレコレ作りまくったMacでした。
このあとすぐに次のMacが手に入ってこれは手放してしまって、
結局1年くらいの付き合いだったけれど、
次のステップアップをくれたMacでした。
で、
上に書いた雑誌のコンテストのグランプリの賞品が、
Macでした。
それが、 この「Mac Quadra800」です。
1993年から7年ほど使っていました。
1995年の震災の時に机からぶっとんで転がっていたMacでもあります。
これは使い込みました。大活躍です。
ハルナと始めた「スタジオハルツ」のCD-ROM作品作りは、
全てこれで作りました。
それから、「スタジオハルツ」の活動が終わりかけた頃に、
「なごむアトリエ」を始めたのもこのMacでした。
最後の1年くらいは調子が悪くなり、
でも新しいMacを買う余裕がなかったので、
だましだまし、それでも頑張って動いてくれていた、
まさに、苦楽をともにしたMacでした。
「スタジオハルツ」の活動がフェイドアウトしかけて、
「さぁ、これからどうしようか」と思っていたころ、
ずっとその作品を買って応援をしてくれていた人から、
「ウチの会社の手伝いをしてくれないでしょうか?」
という打診がタイミング良くきます。
「ああ、神様ありがとう」と思わずつぶやきました。
おまけに、仕事に使うパソコンも用意してくれるとのこと。
「ああ、神様ありがとう」。
で、その会社から借りることになったのが、
この「Mac G3」です。
(モニターは別のメーカー製)
1999年から2006年に返却するまでの6年半くらいのあいだ、
その会社の仕事や、
「なごむアトリエ」の2年目くらいからの作業を、
ずっとやってくれたのがこのMacでした。
そう、このデザインのMacから、
一時期低迷していたMacが、また盛り返しはじめたんですよね。
同じ色の小さな一体型の「iMac」は結構人気でした。
この「Mac G3」は、
ちょうどパソコンが広く普及しはじめた2000年代前半、
インターネットが新鮮でワクワクした頃を一緒に過ごしました。
それから、その会社の仕事をこのMacですることによって、
暮らしをそれ以前より安定したものにしてくれました。
また、このMac自体も非常に安定していて、
6年半の間まったくトラブルもなく、
まだまだ使えそうだったのだけれども、
新しいOSの使えるMacにしたくてお別れしたのでした。
さて、
その「Mac G3」が現役だった真ん中あたりの2003年。
とある臨時収入があったので、
「よーし、Macのノートブックをサブマシンとして買おう」と買ったのが、
この「iBook G4」です。
当初の予定では持ち歩いて仕事でもバリバリ使うハズだったのだけど、
そのころはそんな機会もなく(のちに一度、外で仕事させました)、
またノートと言っても結構重たいのとで、
(だからすぐ後にWindowsの小さなノートを1つ買います)
最終的には部屋で「iTune」を使って音楽を鳴らす、
「音楽プレーヤー」になってしまいました。
もちろん今も現役の音楽プレーヤーです。
実は、これがはじめて「自分で買った新品のMac」です。
それまで中古とか、賞品とか、仕事の支給とか、
そういうのばっかりだったのだけど、
ここでようやく自腹を切った、それがこのMacです。
で、「Mac G3」のあと2006年にメインマシンとして買ったのが、
今使っている「iMac G5」です。
モニタが液晶で本体と1つになっていて、
とにかくそれまでのと違って薄くて場所をとらないのがいい。
本体のドデカいプロ用のMacもあるけれど、
今の僕の仕事の内容ではスピードも容量もこれでもう充分。
昔にくらべたらアンタほんと、です。
道具というものはもちろんその機能や性能も大事だけれど、
「使いやすい、持ち回りがしやすい」というのも要素のうちの1つ。
「ジャマだなぁ」なんて思っていた前のドデカいものにくらべれば、
コンパクトでスマートで、もうこのタイプがいいかなと思います。
ただ、これは前の世代のCPUを使っていて今のMacとはちょっと違うので、
そのあたりの理由から、もしこういうスタイルでいい感じのMacが出たら、
ひょいっと、買い換えるかもしれません。
こうやって今まで使ったMacの写真を観ていると、
「Macのある仕事机回りの変遷」でもありますねぇ。
さて、これからです。
使い始めたころは「先端だ」と思っていたパソコンが、
いつのまにか「フツー」になってしまいました。
しばらくはやはりMacは仕事で使っていくでしょうし、
ネットとかメールとかもうあるのが当たり前になってしまったので、
当分Macにはお世話になると思います。
今はフルに活用してますから。
ただ、一方で
個人的にはどんどん「手描きの絵」とか「手作りのモノ」とかに、
惹かれていってます。
いつかもしかしたら、
「新しいMacに買い換えない」ということもあるんじゃないかなぁ、
とそう思ってます。
それにしても、
Mac、そしてアップルはしぶとい。
一時期は売上が落ち込んで、
「無くなるかもしれない」とウワサされていたころもあるのに、
アレヨアレヨと持ち直して、
おまけに「iPod」が大ヒットして、
そんでもって、「iTune Store」は、このあいだ、
「全米第1位の音楽小売業者」にもなったらしいですね。
この20年くらいの間で、
いくつものパソコンのブランドが産まれては消えているのに、
ほんとにしぶとい。
でも、
そういうヤツ、
結構好きです。
そんなこんなです。