8月16日に終わった、
『デラックスクロスワード』誌のイラスト。
編集部からのお題は、
〝 古くからの教訓も表現は多彩 似た意味のことわざ 〟
↓
編集部からのお題は、
〝 履歴書に書きたい 自慢の資格 〟
↓
編集部からのお題は、
〝 すがることもあり 分かつこともあり 〟
↓
編集部からのお題は、
〝 やるべきことはやった 〟
↓
以上、
『デラックスクロスワード』11月号 用のイラスト。
ただいま発売中。
全国の書店で。
(C)Hajime Sano
(株)マガジン・マガジンのパズルメイトシリーズの雑誌です。
(このブログへの掲載は編集部の許可を得ています)
●
今回のイラストに関して、
描くことは別にないかな。
◆◆◆
こんなことを考える。
ニュースで、
「高齢の親が家で亡くなったけれど、
歳がいってる同居の独身の子供が、
手続きなど何もせずにそのまま放置していた」
なんて、
そんな事件がごくたまに、
でも無くなることなく、
忘れた頃にまたあったりする。
少し前のそういうニュースでは、
「死亡の手続きをせず亡くなった親の年金を受け取って暮らしていた」
というのもあった。
この手のニュース聞くたびに、
実は僕は、
姉がそんなことをやっても不思議じゃないよなぁ。
と思ったりする。
ほんとうに、
コワイくらい、
ありそうな気がする。
コワイコワイ。
コワイから思うだけで今まで口にしたことないし、
以前はできるだけ考えないようにしていたが、
最近はここ2年くらいにあったことを考えると、
さらにもっと発展してそう思うようになった。
だから避けずに直面して書いてみたいと思う。
●
以前に載せた、
「ハジメちゃん費さんち置き去り事件」回の時にも、
以下のようなことを書いた。
姉は、
「“責任”が生じると避けようとする」。
だから、
「“するべきこと”は絶対したくないし、しない」。
だから、
「“手続き”とか“問い合わせ”みたいなことは出来ないしできるだけやらない」。
そして、
「しなくても、知ーらないなんて感じにケロッとしてる」。
「しなさいと言えばよけいにしない」
「人にやらせようとする」。
「自信がなくても人のために自分でなんとかしてみようとかは無い」。
つまりは、
「“自分によくしてもらうための表面的なアピール”などはあっても、
本当の“心”とか“愛情”みたいなものがザクッと無い」。
さらに、
「しかも、平気で人を見捨てる」。
それに、
他の回の時に書いた、
「母の服とか(父のお金で)母が買ってきたものなど、
家のものは当然かのように全部自分のものとして使う」とか、
「困ったら、“無いこと”にする」とか。
そしてこれは書いていないけれど
「時々、普通では考えられないような行動をする」とか。
「たまに怒ってブツブツ独り言を言っている」とか。
「自分の部屋は荒れ放題」とか。
あと、
「以前は母がやっていたような、
自分の住んでいる家のことや母のことを、
今は母を通して僕にやらせる。
逆にいうと僕がいないとそれらは進まない」とか。
そういったような姉のものごとを、
全部まとめて考えると、
「ありえるよなぁぁぁ」
と、どうしても思える。
コワイなぁ。
コワイコワイ。
●
人によっては、
「考えすぎとちゃう?」
「いやぁ、さすがにそこまでは無いのとちゃう?」
と思うかもしれない。
そういう「コワイくらい」の家族を持っていない人や、
とてもいい家族がいるというのが普通な人は、
たぶんそう思って信じられないかもしれないなぁ。
逆にそういう家族がいる人には、
分かってもらえるかも知れないけれど。
それから多少「キライや」と思ってる兄弟がいる人も、
それぞれが自立してやっていて、
「いるだけで影響があって困る」ということが直接的にないなら、
その人にもやっぱり分かってもらえないかもしれない。
それはよく思う。
でも、
実際にそういう人がいるからああいう事件がおこったりしているよな。
それに理屈だけじゃなくて、
やっぱり文章では伝えきれないのだけど、
今まで姉の言動を見てきて、
経験で感じる皮膚感覚みたいなもので、
時々「なんかコワイな」と感じてしまうことがよくある。
だから本気で思う。
もし僕がいなかったとしたら、
姉はほんとうに母が亡くなった時に、
そういう風にするかもしれない。
と。
母は「私は病院に入院したく無い。この寝室で死にたい」
と常々言っているので、
何か容態が悪くなってそのまま寝室で最期になった時、
もし姉一人なら、
葬儀も火葬もやれないし死亡届けも出さずにいて、
そのままにしてずっと置いておいて、
時々「おかあさん」とか話しかけたりして、
でもそのうちに近寄れなくなってドアを閉めきって、
自分では「寝てる」ということにして、
毎月、ドアの外から「年金おろしに行ってくるねー」と言って、
年金を引き落としに行く。
ああ、コワイコワイ。
ありそうやー。
サイコだよぉぉぉ。
こんなことを本人に言ったら。
たぶん自分を悪く言われたことにものすごくハラを立てて、
以前からこういう時によく言うように、
「ちゃんとするもん!!」
と怒って言うんだろうな。
でも、
なにせ、
60才過ぎが、
「ちゃんとするもん!!」
だもんなぁ。
普段、
自分が大人としてするべきことを“ちゃん”とせずに、
出来ないから人にやらせてばかりいるのに、
何が「ちゃんとする」やねん。
●
ところで、
ここまでのようなことを書くと、
きっと姉は、
「私が“お母さんが死んだらバラバラやぁ”って言うたら、
“お母さんがまだ生きてるのに死んだらって何や”とか言うてたくせに、
自分かってお母さんが死んだらとか失礼なこと書いてるやん!」
とか言いそうだ。
「お母さんがまだ生きてるのに死んだらって書いてるでー」
と。
悪く書いた「仕返し」として。
母に言うかもしれない。
まぁ、
僕の場合は、
「直接母本人がいるところでは言ってない」から、
少し違いはあるんだけど。
まぁいいか。
言っておいてもらおう。
もうここまで来たら構わない。
いいから。
どんどん僕を下げて母に言ってもらおう。
ここまで来たらもういい。
言って。
どんどん言って。
●
とにかく、
ほんとに、
もしそんなことになったら母はあまりにかわいそうだ。
本来は姉が自分でやるような事も母心でやってあげたり、
無理矢理やらされておかしいと思いながらもしてあげたり、
父や僕に文句を言われても姉をかばって味方になったり、
姉がどんな不本意なことをしても最終的には大切にしたり、
そういったことをしてきた母が、
それではあまりに可哀想だ。
●
が、
まぁ、
でも、
実際には僕がいる。
●
この20年くらいの間、
僕が、
姉の気に入らないことを言ったりしたりすると、
姉は裏側で何かを母に言ってけしかけて、
それを母から僕に言わせて、
僕が「えええっ?」
と思うことが何度もあった。
例えば印象的なものを1つあげると、
母がある時突然、
「ここのマンションのことハジメに恩にきせられたくないで!」
とか言って、
瞬間「はぁあっ?」と思って、
少しハラもたったけれどすぐに、
「ははぁ、これは姉が裏でこうなるように色々言っているな」
というのが解ったので、
すぐに自分を収めた。
そんな風に、
姉は、
母に「えええ?」と思うことを思いついて言わせて、
僕がショックを受けたり、
凹んだりするのを考えては、
子供のように、
影で「ヘヘン!」とかザマミロ的に思ったりするのだろう。
後で母に「言った?どやった?」とか報告を聞いたりもしてたんだろうな。
だけど、
それがなんとなくいつもわかるんよなー。
別に母が本当のことを言わなくても。
カンのようなものもあるけれど、
実はそれを見極めるコツもあったりする。
(それはまた機会があれば)
だから、
もし僕が短絡的で短気なアホな男で、
そういう事で、
「ああ! そんなん言うんやったらお母さんももう知らんわ!」
とか言って、
実質母からも離れてしまったりしないで良かったよ。
いるよ、
そういうヤツ。
●
それから、
こんなこともある。
もうずいぶんと前から時々、
「これから先、姉がらみで面倒なことがいろいろあると考えたら、
もう、ある日突然、心臓か脳が原因で、
ポクッと一発で早めに逝っちゃったりするのもラクかもなー」
なんて事を軽く思ったりした。
(もちろん、「自分で命を断つ」なんてことは思ったりしないよ)
でも、
母を残して僕が先にいなくなるとなぁ、
上に書いたように、
……。
コワイコワイコワイ。
だから、
まぁ僕自身は、
ここまで一所懸命生きてきて人生に悔いはないので、
早く逝ってもほんとに別にいいけれど、
これを思うと、
なんとか母よりは長く生きないといけないかぁ、
と思ったりしている。
●
そういうことで、
母のことはちゃんと僕がする。
父の時に最期からそのあとの手続き、
そしてさらにその後のことまで全部ひとりでやったので、
そのあたりは全てわかっているし記録もしている。
大丈夫。
だから、
僕がする。
コワイことにはさせない。
もちろん、
それは、
出来るだけまだまだ先のことであるこことを願いながら。
●
と、
それはそれで解決だけれど、
ちょっと前から、
そこからさらに発展させて思うことがある。
母のことはそれで大丈夫だ。
でも、
僕はどうなる?
もし、
このまま縁や機会がなくて結婚をしなくて、
最終的に一人なら、
僕が亡くなった時に、
なんらかの形で、
どこかの段階で、
僕が姉に「放置」や「知ーらない」をされるかもしれない。
もし、
例えば姉と一緒に暮らしていて家でポックリ逝ったりしたら、
僕は誰かと暮らしているのに関わらず、
放置でそのうち白骨だ。
ぎゃーっ。
それに、
役所に色んな届けを出してももらえない。
誰かと暮らしていたのに。
「手続き」とか基本的に出来なくて、したくなくて、
できるだけ何としても避けたい姉だ。
冷たくて普通の人のようには頭がまわらなくて、
「するべき」という考えも無い姉だ。
おまけに、
「ブログにいっぱい悪口書かれたもん!
だからイヤッ! したくないっ!」
てなもんだろう。
父が入院してから、
「行ったらエラそうに言われるからイヤッ」
って言って救急の最初の一回以外は徹底して病室に行かなかった姉だ。
あるだろうなぁ。
そして、
僕は死んでも死んだことにならずに世の中は過ぎていく。
なんて可哀想な僕だ。
いや、基本的には死んだあとのことはどうでもいい。
けれど、
震災後の祖母のこと、同じく震災後のマンションのこと、
そして父のこと、母のこと、
いろいろと皆のため家のことをやってきた僕なのに、
それはあまりにも可哀想な気もする。
だから絶対に姉と一緒に暮らすのはやめよう。
いやいや、
もともとそんなどう考えてもおかしな事を、
する気はさらさらないけれど。
姉は今まで母にしてきたのと同じように、
自分がラクをしたくてそうしてほしいだけだから。
また以前、
「女兄弟がよかった」と言われたりもしたんだから、
する必要もないだろう。
●
じゃあ、
もしそうではなくて、
そんなに年を取っていない、
比較的近いうちに何かの病気になって、
“あと余命わずか何ヶ月”とかになったら、
どうだ?
その場合は前もってある程度は友人に頼める。
しかし、
日本の法律では、
身よりが無いならいざ知らず、
いれば親族か配偶者が、
立ち会ったりサインしたりしなければいけないことになっている。
基本、親族か配偶者じゃないといけないのだ。
友人には限界がある。
しかも、
親族として、
姉がいるにはいる。
普通はその姉がしてくれるものだ。
が、
どうなるだろう。
これだって、
父の時も一切行かなかった姉だからな。
まず僕の容態がイケナイと病院から電話があっても、
「電話に出ない」。
あるなー。
ありそうだなー。
姉はもともと、
「電話に出ない」
という必殺技を持っている。
特にひとりで家にいる時は。
だから、
たとえ友人にお願いしても、
友人が心配で姉に電話をかけても、
こっちでも、
「電話に出ない」
おいおい、
佐野はどうなる?
どうなっちゃうの?
病院に置き去り?
病院の事務の人と看護師の人の会話で、
「最近時々こんな家族いるわよねぇ。なんかかわいそうねぇ」
とか言われちゃうの?
まぁでも、
もし、
友人にその辺りを説明して、
その友人もいろいろと頑張ってくれて、
いろんな良いタイミングが重なって、
姉を何とか病院、葬儀、火葬と立ち合わせてサインさせて、
最後にお骨を姉に渡して、
「お姉さん、49日までこれを仏壇に供えて、
49日すぎたらお墓にこれをもっていくんやで。
俺が車で迎えにきてお墓まで一緒に行くから。
それから、それまでに、弟さんの色んな手続き、
しとくんやで」
と言ってくれたとする。
その時は姉も人の前なので、
「あ、はい」とか蚊の鳴くような可愛い声で言っているが、
その友人に送ってもらって家に着いてひとりになったら、
急にこわい低いトーンの声に変わって、
だいたい人に指示されるなんてのが大嫌いな姉だから、
「ふん、エラそうに!」とか言って、
僕のお骨の入った骨壺を新聞にくるくるくるとくるんで、
燃えるゴミのゴミ箱にポイッ。
あー、
僕は2回焼かれるのかーーっ!
で、
姉は、
あとはケロッとしている。
ありそうだ。
もちろん色んな手続きなんて、
知ーらない。
そして、
49日が過ぎて、
その友人が姉に電話してみたら、
「電話に出ない」
そしてまたケロッとしている。
ああ。
ごめんな、
せっかく頑張って色々してくれたのに、
友人よ。
いつかビールをおごるよ。
●
面白おかしく書いているので、
なんだか冗談のように思われるかもしれないけれども、
こんな風に書かないと、
コワすぎて。
●
それにしても、
こんなことを書かないといけない兄弟って、
ホントにホントに、
いったい何なんだろう。
●
さて、
実は、
今回のこの記事も、
またまた当初の構想とちょっと思いが変わっていった。
これがあるから、
こうやって思いを長い文に書くのには意味がある。
最初書こうと思っていた時と書き始めた頃は、
ここまでの上のように進めて、
最終的には、
「病気などになって余命わずかな時、
もしくは
80才過ぎてそろそろ寿命も少しかという頃、
誰か、入籍だけでもお願いして、
後のことをしてくれる、
なんて出来ないだろうか。
しかし、謝礼が出せないかもしれないしなぁ
もちろんやっぱりちゃんとした形で、
好きな人と入籍するのがいいのだけれど、
なんかそういうことにでも保険かけとかないと、
もしなった時に僕は可哀想だな」
みたいなそんな風に話をもっていくつもりだった。
が、
書き進めて色々とアレコレ考えている内に、
考えがまた変わってきた。
姉が僕をそうやって放置するにしても、
姉が無理に「マンションを売らせて」なんて考えてみても、
強引に僕と一緒に暮らして母のかわりに僕に面倒みさせて、
今までと同じようにしようとしてみても、
最終的にはなんらかの形で、
姉は自分で自分の首を絞めることになるなぁ、
と、
アレコレ考えていると、
まずそういうところに思いが行きついたのだ。
それは、
どういうことか?
それは、
書かない。
だって、
このブログは、
きっと姉が見ているから。
会っていても「ブログ見てるよー」なんて決して言わないが、
でもコソコソと人のことを探るのが好きな姉が、
こっそり見てない訳がない。
だから、
書かないよ。
●
で、
そんな風なことをいろいろと思ったりしはじめたら、
急にフッと力が抜けて、
だんだんと
それならそれで「まぁいいか」と思い始めた。
最悪、最終的に、
「なったらなったで仕方なし」
の考え方でいくかぁ、
と、
書き進めているうちに、
ジワジワと思い始めてきた。
死んだあとのことだ。
まぁいい。
だから、
友人知人よ。
もし急に病気になって余命わずかになったら、
取りあえず知らせたい人には知らせるけれど、
そのあと、
「アレ? あれからどうなったのか?」
みたいな状態になってしまったら、
どこかで姉に放置されたり、
ゴミ箱ポイかもしれないので、
そう思っていて頂戴。
そして、
絶対に姉から友人知人に「知らせ」が行くことはないので、
申し訳ない。
ただ、
それでも僕の魂の安泰を願っていてくれればいい。
また、
もっと何十年先のことだとか、
そうじゃなくても、
「アレ? 佐野はどうなったのか?」
なんてなった時には、
なんらかの形で、
「白骨くん」になってるかもしれないので、
よろしく。
もちろん、
それでも魂の安泰を願っていてくれればいい。
●
しかし、
最終的にもしそうなっても「まぁいいか」
と思ったとしても、
別に解決した訳ではなく、
僕にはやっぱり、
「どこかで放置」とか、
「白骨くん」とか、
「ゴミ箱にポイ」とかそんな風に、
姉にされてしまう可能性は残っている。
最終的にもしそうなっても「まぁいいか」
ではあるけれど、
やはり、
それはなー、
「最悪の場合」にしたい。
だから、
そうならない努力はちゃんとしておかねば。
●
とにかく、
そうならないためにも、
まず、
結婚しようが、
そうでなくて一人でいようが、
どういう状況であったって、
姉と暮らすのは絶対に避けよう。
「白骨くん」で「放置」はやはり基本的にはイヤだ。
だいたいするべきことはせずに、
人にやらせてこき使って当然のようにしていて、
家の中だけの世界でものすごく勝手な事しゃべってエラソにして、
それであとはずーっとテレビばかり見ている姉と、
いったい誰が一緒に暮らせる?
母がそれらを分かってて許していたのは「母親」だからだ。
僕にとっては、
今までさんざんイヤなしんどい思いさせられて、
ちっとも楽しくなくて明るさも朗らかさも、
おまけに暖かさも優しさもすでに無くなった人と、
どうして「一緒に暮らしていい」と思える?
そういうようなことを僕が言うと、
「私もいっぱいイヤな思いさせられたもん!」
って言ってたよな?
じゃお互いイヤやねんから別々におったらええやん。
イヤな僕のことは放っておいたらええやん。
と、そう言うと、
「ほっておかれへん、兄弟やから」
って言ってたな?
へぇー、よくいうよー。
兄弟らしいことは今までしたことなくて、
自分の気分で散々人をほったらかしにしたくせに。
自分がしたくないときは、
「知ーらない」ですませたくせに。
ただ自分が今までどおりラクをしたくて、
一人やったら何も出来なくてしたくもないから、
母の代わりに僕にそれをしてもらいたいだけやん。
見え見えやん。
口先だけで「ほっておかれへん、兄弟やから」って、
“人情”のフリを混ぜたみたいでほんとウソっぽくって。
どこかのテレビのセリフをそのまま言ってるみたいで。
だいたい、
“人情”なんて一番嫌いで普段そういうのしないやんか何も。
今まで親戚付き合いも近所付き合いも一切避けてきてるやんか。
昔からアンタは。
つまりはまぁ、
「兄弟として生まれたからにはオマエを逃さへんでー。
自由にさせへんでぇぇぇ」ってことやろ?
いやもう、
ほんと、うんざり。
今までされた「知ーらない」を
全部まとめてドカッと返すよ。
それから、
「ハジメは優しいからそんなん言うててもちゃんとしてくれるわ」
って?
そんなのありえない。
もうそんな、
「優しい人にしわ寄せくらわせて自分はラクをする」
なんて昭和的で20世紀的な考えはもう通用しない。
そして、
それでも僕が色々とするのは、
家族では祖母、父、ときて母までだ。
今は。
だって、
そのみんなのおかげで僕は育ててもらって大きくしてもらった。
みんなでなんとか暮らしてきた金銭的なことも含めて、
家族の温かみとか楽しさ面白さをいっぱいもらった。
だから優しい以前に、
まず当然な恩返しでもあるんやんか。
でも、
アンタが何をした?
人を置き去りにするわ理不尽な思いさせるわ、
するべき事を全部人にふって知らんぶりして好き勝手するわ。
あとで口先だけでいいように言ってごまかすだけだわ。
それでいて「そっちだって」とこちらのせいに切り返すだけだわ。
気に入らないことをしたら母を通して僕に「仕返し」するわ、
僕の母を散々利用してこき使って言わせて当然にしているわ、
そんなんやん。
それに、
かつて僕が「子供の頃は兄弟がおってよかった」と言ったとき、
怖い顔して「私は一人っ子が良かった」とあっさり言い放った、
そんな人やん。
せっかくの「兄弟」って言葉を、
自分ですでにずいぶん前に「無し」にしてしもてるやん。
そうやって、
さんざん今まで、
「私の思うとおりしてくれないなら、お前はいない方がいい」
みたいにやってきたのに、
今更、ラクがしたくて、
「一緒に暮らしてほしい」って気持ちを心の中にフツフツ思うなんて、
「私最近ハジメのことが好きやねん」なんて見え見えに言えるなんて、
ちょっとおかしい。
もう、
そのあたりを考えれば考えるほど、
絶対に、
メチャクチャしてでも「一緒に暮らす」のは避ける。
それに、
だいたい、
普通ならば、
この年齢なら、
兄弟それぞれがちゃんとやっていってるもんやん。
みんな。
前提がそもそもおかしい。
そして、
一緒に暮らさなかったら、
ハラたててずっと僕をずっと恨むんやろ?
アホだ。
●
次に、
「どこかで放置」や「白骨くん」にならないために、
もう1つ。
やはりちゃんと誰かと入籍して、
もし僕の方が先に逝くならば、
その彼女に僕の最期の後のことは、
みんなやってもらいたい。
その誰かはまだ知らぬ彼女には、
僕の亡き後に(いや生きている間からか)、
姉がゴチャゴチャゴチャとややこしいかもしれなくて、
それでイヤな思いさせたり迷惑をかけるのが、
本当に心苦しく申し訳なくて。
そう思うと、
僕はずっと一人でいる方がいいのかもしれないけれど、
でもそれはやはり、
ちょっと違うかもしれない。
うん、
絶対に違うなー。
なんで姉に悪影響されて自分の「幸せ」をやめないといけないのだ。
本来なら姉こそが僕の「幸せ」を喜んでくれてこそ、
「兄弟やから」
のはずよな?
うん、
だから、
迷う事なく、
ちゃんと誰かと結婚をして入籍をして、
その彼女にちゃんと配偶者になってもらって、
その後のことをお願いしたい。
そういう意味では、
今まで遅かったとしても、
ちゃんと普通でいきたい。
昔から代々自分勝手な子に家族全部が引きずられてるという、
「佐野家独特」みたいなのはもううんざりだ。
もちろん、
そういうことが目的で入籍するわけではないけれど。
そもそも入籍したいと心に思った気持ちのその延長線上で、
大事にするし優しくする。
というか、
日々、楽しくする。
「若くてとにかく結婚して子供作って」
とかではなく、
年とってから結婚するのだから、
そこを中心に行くのでもいいだろう。
同年代の同性にもしかしたらものすごく嫉妬されちゃうかもしれないけれど。
まぁ、
それを気持ちよくスッキリと喜んでくれるやつだけを、
友達としよう。
ということで、
すまない、僕の君。
お願いする。
ほんとに悪い、
ややこしい問題が最初からあって。
だから、
僕の死後、手続きなどが終わったら、
すぐに籍を抜いて姉から離れて自由になってほしい。
それは出来るから。
教えておくから。
またそうしても、
僕の妻としての権利はちゃんと残るから大丈夫。
もちろん、
生きている間にもやれることは極力するから。
そして、
いざとなったら、
一緒に楽しくメチャクチャしてでも幸せになろう。
頼むよ。
そんな感じで、
ストップ・白骨くん!
ホワイトアウトはやっぱりイヤだ。
空はもう秋の感じ。
そんなこんなです。
That's all for now.
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