少し前にチケットをいただいた、
兵庫県立美術館でやっている「藤田嗣治」展へ、
8月19日に行ってきました。
兵庫県立美術館は、
1階にチケット売り場があって、
展示会場の入り口はちょっと高い3階にあります。
なので、
専用のエレベーターもあるのですが、
僕は必ず階段の方を使います。
なぜかというと、
その上の入り口部分には必ずその展示に合わせた、
看板や表示や時には展示の一部があって、
それをまず見上げながらその長い階段を上がるのが、好きだからです。
「来たなー」という感じがするのです。
そして、今回はこんな感じです。
文字だけです。シンプルです。
そうか、
こういう時もあるのか。
わかりにくいかも知れないので、
大きく写したもので見るとこんな感じです。
ちなみに、
比較として、
これまでの僕が行ってちゃんと写真も写したもののうち、
幾つかを載せます。
2008年の「ムンク」展。↓
2011年の「カンディンスキー」展。↓
2012年の「現代美術の今」展。↓
2014年の「ポンピドゥー・センター・コレクション」展。↓
下の二つは、
それ自体もたしか作品だった様に記憶しています。
●
「藤田嗣治」は、
2年半前に岡山県立美術館で行われた展覧会にも行きました。
だから2回目になります。
その時は〝パリの時代〟中心の展示でしたが、
今回の展覧会は、全て時代の作品が展示されていました。
東京美術学校を出たが評価されず、
パリへ渡り独自の表現で人気画家になり、
そのときは日本では中傷的な批判をされ、
その後世界的におきた不況が活動に影響し、
南米を長く旅し、
大戦中は日本で国策としての戦争画の中心的人物となり、
敗戦後「全ての責任を1人で負って欲しい」と画家仲間に言われたとされ、
失意のうちにフランスに帰り、
フランス人として帰化して二度と日本に帰ることは無かった、
といったこの国に翻弄された一生を送った画家でした。
(部分的にだいたいな説明だったのならごめんなさい)
そういう事情もあったからなのか、
好意的な研究家以外の一般的な評価が浮かんできたのは、
ここ数年〜10数年みたいな感じですね。
そういった人生の中でも、
特に注目される太平洋戦争下の「戦争画」が今回展示されていました。
見ました。
戦争画時代の最高傑作とされる絵、
『アッツ島玉砕』。
「なんかすごいなぁ」という、
パワーのようなものと技量は感じましたが、
(単なる戦争協力を離れて純粋に絵画として藤田さんがこれを描いたんじゃないかという人もいるようです)
それにしてもやはり「戦争」というものが、
人や画家や色んなモノを強く曲げてしまうんだなぁ、
という風に見ていて思いました。
ただ、あとで知ったんですが、
悲惨な戦場のところどころの地面に、
小さく綺麗な花が描かれているんです。
これがどういう意味なのかというようなことは、
解らないのでおいといて、
「この花はこの絵の中の救いであるなぁ」と、
個人的にはそう思いました。
●
展を見終えて外に出ました。
外と言っても裏手です。
帰りを急いでなければ、
この美術館に来ると必ず、
この裏側の海を見てから帰ることにしています。
と、
なんだか大きな女の子が立っていました。
「んー、何かできてるなー。知らなかったなー」
と思って近づきました。
写真では景色と建物以外に、
比較できるものがないのでわかりにくいですが、
あとで調べたことによると、
6メートルあります。そこそこ高いです。
「海で獲れたウニを持ったらイガイガが手にささった。でもハッピー」ということを表しているそうです。
ウソですよ。↑
本当は、
ヤノベケンジさん制作の、
《Sun Sister》という作品で、
未来の希望を象徴する少女像だそうです。
一般公募で「なぎさ」という愛称もついているそうです。
これはもしかしたら好き嫌いがあるかもしれないですね。
でも、
夕焼け空を背景にした姿は、
ちょっとよかったです。
そんなこんなです。
Leonard Foujita !
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