今日は「ですます調」でいってみたいと思います。
ちょっと前に、
スーパーの「ダイエー」のその屋号が、
数年後には全て変わってしまうというニュースがありました。
つまりは、
その流れをくむスーパーは残るけれど、
「ダイエー」というものはもう完全に無くなってしまう、
と言いきってしまっていいんでしょうね。
夏の終わり頃から、
昔の写真を少しずつスキャンして、
パソコンに保存しています。
もっと詳しく説明すると、
そもそも数年前に、
家族の住む家にある古いアルバムが、
ボロボロになったり外れたり傷んだりしているので、
少しづつ持って帰って補修をしてあげていた時期がありました。
その時ついでに、
補修した分のアルバムの写真を、
(父母の古いアルバムから僕が幼少の頃までのものを)
スキャンしてデータとして保存しておきました。
それ以外の、そこから後の時代のアルバムの写真も、
いずれスキャンしたいなぁと思いながらも、
その「大変で単調でうんざりするような作業」を考えると、
なかなか手がつかず数年たちました。
それが、
今年になっていろんな流れや人との関わりの気持ちの中で、
「あっ、あの昔からの写真のスキャンの続きをやってしまおう」
と思い立ち、
夏からちょっとずつ初めて今に至っています。
親元にある子供時代の分は基本的にはもう終わり、
現在は自分の手元にあるアルバムの内、
ちょうど80年代後半からバブル前後、
大阪で、デザインの学校に行ったりそのあと働いていた頃のものを、
スキャンしていっています。
その作業をしている中で、
昔のアルバムを眺めたり触ったりしていると、
小学生の頃の1970年あたりの写真を貼っているアルバムが、
当時のダイエーがオリジナルで作ったアルバムでした。
背表紙の中に入っている見出し用の紙を引っ張りだしたら、
おそらく初代のダイエーのマークが。
子供の頃、芦屋の茶屋ノ町に出来た、
三八通り商店街の近くのダイエーにもこのマークがついていました。
よく覚えています。
これはナツカシイと思い、
そのうちブログに使うつもりで、
アルバムを父母の家に返す前にこうやって写真に撮っておきましたが、
そうこうしているうちに、
ダイエーの名前がなくなるニュースがありました。
だから話を、
単に「ナツカシイもの」に終わらせるのではなく、
もうちょっとアレコレ書いてみます。
二代目のマークがこれです。
このマークになってからの時代の前半が、
ダイエーの全盛期だったと思います。
関西にはダイエーとその関連の店舗が沢山ボコボコと出来て、
特に神戸とその近隣は、神戸がゆかりのある地でもあるので、
ダイエー帝国みたいになっていました。
三宮センター街の一部は「ダイエー村」の様になっていました。
それから、1995年の阪神淡路大震災の折は、
僕もその実際の被災者だったので良く印象に残っているのですが、
震災後の店舗再開の早さと、
「地域に貢献したい」という勢いのようなものには、
すごくありがたく思ったことを今でも覚えています。
そのあとに次第に経営が悪くなって、
それへの心機一転な意味もあったとされる、
2005年に新しく作った今のマークがこれです。
しかし、このマーク、
最初みたときは、
「なんかパッとしないなぁ」と思ったりしたものです。
前に違う話の時に、
同じ様な言い回しをしたことがあるんだけれども、
もし、意識だけがタイムマシンのように過去に戻れたとして、
ダイエー帝国がバンバンと花開いていた80年代ごろに遡って、
誰かに、
「いや、でもダイエーでも将来、無くなってしまうことがあるかもよ」
と言ったとしたらきっと、
「そんなこと、あるかなー。このダイエーがなくなる? ないでしょー。
やっぱりサノさんは変わってますわぁぁぁ。ヘンなこと言いますわぁぁ」
なんて言われるんじゃないかと思ったりします。
でも、実際に数十年たつと、
そういうことが実際にあるんですよねぇ。
そういう「絶対」がないことを、
もうここまで「ある1つの時代」が煮詰まってくると、
ちゃんと、
おちょくらずに、
心しておいた方がいいと思ったりするわけです。
ちゃんとした、と自認したい大人は。
去年、「神戸学検定」を受験するときに学んで初めて知ったのですが、
昔神戸に「鈴木商店」という商社があって、
一時は、商社として、
三井三菱をしのぐほどの勢いがあった会社だといいます。
今はもう、
(僕自身もそうでしたが)
そんな会社があったなんて誰も意識していません。
「神戸製鋼所や帝人やサッポロビールや昭和シェル石油がその鈴木商店の流れをくむんだよ」と言われて「へーっ」って言う程度で、普通は、あったことさえピンと来ないものじゃないかと思います。
でも、
その鈴木商店が全盛の頃には、
人に「鈴木商店も無くなったりする日が来るかもよ」なんて言っても、
きっと、「えー、そんなことがあるかなー、鈴木商店がなくなるかなー」
と言われるかもしれない、
と思ったりする訳です。
同じように、
じゃあ、今、
「イオンも将来、無くなる日がくるかもよ」
と言った時に、少なくとも半分くらいの人が、
「えーー? イオンが無くなるかなぁぁー? そうかなぁぁー?」
と、
あるいは人によっては、
「そういうわかったような事いうお前は、なんだか気に入らない」
みたいなニュアンスも含めて、
言いそうな気がするんですよね。
でも、わからないんです本当に。
半々の確率ですが、100%ではないですが、
「イオンだって、いつか無くなるかもしれない可能性はある」
のは本当です。
(すいません、イオンさん、ノリにのっている時にこんな事言って)
さて、
考えをもっと未来に移してみると、
いつか、
「ダイエー」というスーパーがあったことさえ知らない世代が、
そう遠くない時代に大人として僕らの周りにやってきます。
(いや、その時はもしかしたら、僕は居ないかもしれないですが)
今の、鈴木商店のように、
「ふうーん、昔はそうやったんやー」という人が沢山になる頃が、
きっと必ず来るんでしょう。
その人たちに対して僕らは、
「うん、あそこの店は、昔ダイエーっていうチェーンのスーパーでね。
そう、うん、そんな大きな全国的なお店があってんよ」
と、きっと言うのでしょう。
そして、
そう言われたその人は、
「へぇー、今度無くなるあのイオンは、
昔はダイエーって言ってたんですかぁぁぁ、へぇぇぇぇ」と答える、
という様なことも、
あるかもしれません。
そんなこんなです。