3月に入ってからの日々〈その1〉。4日大阪。

3月になってから、
お手伝いしているところの仕事において、
ある区切りが終わり次のステップの手前となった。
イラストの仕事の方といえば、
そろそろ続けてやってくるタイミングではあるけれど、
早くても月の中頃からで、まだもう少し余裕が。

ので、
3月は半ばくらいまで、
「行きたいと思っていたところに行って」
「古くなったモノを新しいものに買い変えて」
「前から欲しいと思っていたモノを買って」
「部屋の中で気になっていたところを少し整理」
することにした。

結局、とっても忙しい日々。

--------------------

3月4日。
大阪難波の高島屋に行ってきた。



今は阪神電車に乗れば一本で、
神戸から大阪ミナミまで行くことが出来る。
以前は、神戸からだと一度大阪キタの梅田まで出て、
それから暗ぁーい地下鉄に乗り換えて難波に向かっていたけれど、
それが今はまっすぐに難波へ。
ラクになったなぁ。

で、
難波の高島屋に何をしに行ったかというと、
明治から昭和初期にかけて作品を残した、
川瀨巴水(かわせはすい)さんという版画家の展覧会を観てきた。

良かった。
あとで眺めたくて図録も買った。



絵がほんとにスカッとしていて、
それでいてどこか情緒もあって。
浮世絵の流れをくむ日本の木版画らしく色がキレイで、
木版画とは思えないくらいに細かくて。

現代のマンガの中で、
例えば大友克洋さんみたいに、
緻密な絵を描くタイブのマンガ家さんが描いたカラーの背景を、
少しふっと思い起こすようなそんな感じだった。
まぁ、根っこは一緒かぁ、日本産。

この人もここ近年に再評価が進んだ作家さんらしいけど、
これからますます評価が高まりそうな感じやなぁ、と。

もっともっと、
僕ら一般的にはまだあんまり有名ではない、
とてもいい作家さんはきっとタクサンいるのだろう。


で、
展覧会を観終わって、



高島屋を出た。

せっかくそんなに頻繁には来ない難波まで来たので、
この機会を逃してはならない、
そう、あの、「タテパノラマ」を写してから帰ろう、
と、道頓堀へと向かった。

まずは、
カニや、

|なんでやねん!/


フグや、

|どないやねん!/


くいだおれ太郎をタテパノラマして、

|さいでんなー。/


そして、戎橋の上から振り返ると、
有名な、コレ。

　　|そうでんなー。/


この近辺は本当に平日でもニギヤカだ。
修学旅行生らしき制服の学生たちもウロウロとしていて。

3人くらいの女子高生がグリコの看板を見るなり、
「あー、●●に似てる〜似てる〜!!」
「ほんとー、似てる〜そっくり〜、ぎゃはははははーっ」
と大笑い。
先生のことかな?
このくらいの年齢のコらはホントに言いたい放題だからな。

で、橋の周辺を見て、「あれっ?」っと思った。
この下、



ボードウォークになっている。
知らなかった。
「へぇ、オシャレっぽくなってるねんなぁ」と。



そのあと、少しもどって、
戎橋筋の入り口あたりを見ながら立っていた。

今から20年以上前の数年間、僕は大阪で働いていた。
その会社の場所はキタの堂島あたりだったけれど、
そこで知り合ったTeshこと西田さんに誘われて、
競馬をしていた時期がある。

Teshを中心に、
同じ会社の経理でのちにTeshと結婚するイユちゃんや、
その会社に出入りしていたネイティブのコピーライターのJohnさんや、
Teshの東京時代の同僚の弟で医者の卵だったセイタといったメンバーで、
淀や仁川の競馬場や場外馬券場に行って遊んだ。

で、この道頓堀は、
年末のレース「有馬記念」を楽しむ為に、
何度かみんなで集まった場所でもあったのだ。

というのも、
道頓堀にはJRAの場外馬券場があって馬券を買うことができたし、
そして、戎橋筋の入り口に大きなビジョンがあって、
そこで毎年「有馬記念」の実況中継を流していて、
馬券を握りしめながらリアルタイムで競馬が楽しめたからだ。

それを知っている人たちで、
その日のビジョン前は一杯になり、
レースが始まるとまるで競馬場にいるかのように、
「うぉーっ」と盛り上がったのだ。

今はどうなんだろう。
あれから時代は変わったけれど、
今でもここはあんな風に有馬記念の日になると、
人で一杯になるんだろうか?

そんなことを思いながら、
しばらくボンヤリと、
当時みんなでそちらを向いて立っていた、



戎橋筋入り口方面を眺めていた。



帰りは、ちょっと買い物をしたかったので、
梅田経由で帰ることに。
用事を済ませて、阪神電車乗り場の地下へ。

そこで、「あ、あれはまだあるのだろうか?」
と思って行ってみると、あったあった。

もしかしたら、
多少場所は変わっているのかもしれないけれど、
昔から阪神梅田駅にある、



フレッシュジュース売り場。
なんだかウレシイ。
昔はこういうジューススタンドが、
アチコチの街にあった。

ここでもちろん、
ミックスジュースを買って飲んだ。
歩き疲れた体に美味しい。


で、阪神電車に乗って御影駅まで帰ってくる。

買い物があるので駅の南側に出て、
去年出来た駅前のバレンタイン広場を通る。
そこにある市バスの停留所、
ふと見ると、
サインがハートだ。



バレンタイン広場周辺は何度も来ているけれど、
これは今までうっかり気がつかなかった。
なーんか、このあたりもシャレた感じになっちゃったなぁ。
下町っぽいところだったのになぁ。

そう、
変わらないところを残しつつも、
景色は変わっていくね、巴水さん。


〈　「3月からの日々・その2」につづく。〉


そんなこんなです。