ワタシの道具たち(その4)
プリントゴッコ
プリントゴッコが、
とうとう販売終了になるそうです。
そうだろうなぁ。
一時期はネコもしゃくしももっていたプリントゴッコ。
でも時代がどんどんと変わって、
いつかこの日がくると思っていたけれど、
とうとう来ました。
ということで、
このシリーズ、今回は、
プリントゴッコです。
本当は今年の年末くらいの「らしい時期」に、
コレをいこうと思っていたのだけれど、
ちょうどいいタイミングなので、
「さよならプリントゴッコ」の意味も込めて、
今やっておきます。
僕は毎年、このプリントゴッコで年賀を作ってます。
もちろんパソコンとプリンタでも出来なくはないのだけど、
年末になるとこれを取り出してペッタンペッタンやってます。
それは、
まだ精度が良くて手頃なプリンタなど無かったころからのシリーズ年賀状を、
これで毎年作っていた流れがあったからでもあるけれど、
それだけでなく、出来たものを比べると、
独特の風合いがあるからです。
これで作ったものは。
そして何より、
商品としては「時代遅れなもの」だとしても、
道具としてみれば、これは、
「木版画」や「リトグラフ」や「シルクスクリーン」などの流れの延長にある、
れっきした版画の為のプリントマシーンなんです。
仕上がりを計算して想像しながらペッタンしていると、
手間だけれど、一方で「作っている」感じがとてもします。
そう、例えて言うなら、
「生け花」とか「手作りパン」とかに近い、
そんな感じのする「制作の道具」という感触があって、
やっばり年賀にはコレなんです。
じゃあ、
プリントゴッコでの去年の年賀の制作過程を。
で、原画描き。
本当は1枚でもいいのだけれど、あとで分けてしまうとあらかじめ分かっているところは別の紙に。
↑それをパソコンに取り込んでいくつかの版に分ける。
1つの版の中で、違う色同士がなるべく接近しないように、
うまく行くようにアレコレ考えながら。
今回は4版で。
そう、この過程は今はパソコンを使ってます。
昔は切ったりのりで貼ったりしてやっていたので、
ここんところはかなりパソコンでラクになった。
パソコンからプリントしたものをコピーして、それをハガキサイズに切って、4つの版が完成。
どの順番で刷るといいかをよく考えて、まずは、1版目を製版。
フラッシュでピカッと光らせて、マスターに焼き付けるアレね。
製版したマスターに、絵柄をとり囲むようにインクブロックを貼っていく。こうするとインクが混ざらないし、むに〜ってインクがヨコに広がって無駄になってしまうのを防ぐ。
次に色作り。
チューブのままでは気に入らない時は、こうやって混ぜて好みの色を作っている。
自分で作った色は、マスターに載せやすいように小さなビニールに入れたりする。面倒なら指でマスターに載せてもいいけど、手がねとねとになるよ。
で、これが1版目。
1版目が終われば、
同じようにして2版目をつくり、
1版目の上に重ねて、
ペッタン。
続いて、
3版目を重ねて、
ペッタン。
最後に、4版目を重ねて、
ペッタン。
これで完成。
どう?
アナタも作ってみたくなったりしました?
持っていない場合、
買うのなら今のうちです、
プリントゴッコ。
消耗品はしばらく販売を続けるそうですが、
まぁ、2.3年かなぁ。
僕はすでに、
消耗品の予備を少しずつストックし始めてます。
今の年賀、
新シリーズに入って4年目で、
なんとか残りの8年はプリントゴッコで通すつもりです。
でもって、
そうなるともしかしたら、
その最後の年賀をペッタンする2016年の暮れのワタシは、「日本でたった一人、ブリントゴッコで年賀を作った男」、であったりするかもしれないワケです。
そんなこんなです。