おとついの26日で、
父親が亡くなって一年になる。
そして葬儀から火葬で見送ったのは28日。
ああ、もう一年かぁぁー、
早いなぁぁ、
と思う。
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去年、
7月から救急で入院して、
8月に入ってからは普段は僕が一人だけで、
時々歩くのがタイヘンな母を連れそって、
父のいる病院に週1〜2回様子を見に行っていた。
暑い最中に通ったなぁ。
バスに乗ったり歩いたり母のいる時はタクシーに乗って。
容体に合わせて2回転院したので(系列の病院)、
あっちの病院こっちの病院。
途中のショッピングセンターで、
イラストのアイデアや下描きの仕事したりもして。
父は9月は少し元気になっていたのだけれど、
10月後半に容体が悪くなって、
11月の半ばくらいから先生に、
「ちょっと覚悟しておいてください」言われていたのが、
11月26日の夜の7時前に、
病院から僕の携帯に、
「容体が良くないので来てください」と電話があって、
母にそのことを連絡してから一人駆けつけて、
阪急電車が人身事故で停まって時間を取られたので、
病院に7時40分くらいに着くと、
丁度息をひきとったあとで。
死亡確認の立ち会いをして看護婦さんに相談してから、
葬儀社をスマホで探して連絡して、
そこに決めて。
(その葬儀社が父がノートにメモしていた社であるのを、
のちに知って驚くのだけれど)
そこから、
コンビニに走って菓子パンを1つだけ食べて、
急いで父の荷物を片付け、
捨てるものは看護婦さんにお願いして、
持って帰るものは整理して、
やがて葬儀社が来たので看護婦さんと今後の会計の話をして、
看護婦さんにお礼を言って病院をあとにして、
9時過ぎくらいに葬儀社の車で父の遺体を葬儀社に運んで。
死亡してからまる1日は火葬できないので
その間は葬儀社に安置してもらうことにして、
後の簡単な葬儀と火葬についての打ち合わせをして、
葬儀社を出たのが夜の10時半くらいだったか。
部屋に戻ったのは12時くらいだったか。
アレ?どこかで何か食べた気もするけれど、
憶えてないなぁ。
疲れてたしなぁ。
まぁ、とにかく、
自分で言うけれど、
何から何まで初めてなのに一人で頑張ったなぁと思う。
次の27日は朝早くから起きて、
イラストの編集部の二人の担当者にメールで事情を書いて、
数日内の〆切りを伸ばしてもらって、
そのあと母のところに行き連れ添って葬儀社に行き、
安置されている父に合わせた。
母は横になっている父を見ての第一声は、
「あぁ」だった。
葬儀社で、
父と一緒にお棺に入れてもらうものを渡したり、
明日の軽い追加の打ち合わせをしてから帰った。
母から、
姉が「歯医者の予約を入れているからどうしよう?」
なんて悩んで言っていることを聞いて、
「え? 何やそれ?」と思った。
28日、
母を迎えにいって一緒に葬儀社のある最寄り駅まで。
ベンチでちょっと休憩していると、
〝歯医者から、スマホで調べて直接葬儀社に行く〟
ということになった姉から電話。
「葬儀社の前まできたけれどドア閉じててどうしたらいいかわからへん」と。
〝やれやれ〟と思って何か言おうとしたら、
「中から人が出てくるみたい」と言ってガチャッと切った。
ほんとに〝やれやれ、未成熟はカンベンしてほしい〟。
葬儀社に母と共に着く。
姉は「一人で不安」みたいな顔をして立っていた。
本来はコースには書かれてなかった、
「全て白の花に」というお願いを社の人が叶えてくれて、
キレイな白い花々がホールの脇に飾られてあった。
追加でお棺に入れて貰う父の日常のモノを渡し、
簡単に送別の儀を40分くらい行った。
そのあと車で火葬場へ。
葬儀社の人から手順を聴き、
火葬が始まり、
葬儀社が手配してくれた住職さんが経を唱えてくれて、
終わってロビーで住職さんと話をして、
みたいな、そんな感じだったけれど、
もうこのくらいになると疲れていて、
おまけに数日前から風邪っぽかったのが、
いっぺんにどっと来てボーッとしていて、
ちょっと前後関係が今となっては怪しい。
火葬が終わるまでの間、
近くのファミレスで食事をするという手はずで、
ロイヤルホストに行った。
妙に小さな部分で手助けしておこうみたいに、
〝僕がフォークやナイフや水を自分で取ろうとしたら、
それを先にとって渡そう〟というのをずっとする姉。
でも、
「それはいちいち手がぶつかるやん、
そういうところだけしなくてもいいって」
と思って態度にするけれど、
分かっていない事に対してイライラとして、
「自分でするかいいって!」と言う。
そして、
店を出て呼んだタクシーまで歩いている途中で、
母が「ハジメ、いろいろと何もかもありがとうね」
と言うと、
すぐに間髪入れずに、
「ワタシにはムリ!!」
と言った。
分かってるよ、
せえへんもん。
そらムリやわ、
と思った。
分からないのは、
何故、今、そんなことをアピールするのか?
そう宣言しておいて何でも人にやってもらうため?
父の火葬の合間に?
で、火葬場に戻って、
父の骨を拾って骨壺に入れて、
葬儀社が用意してくれた一式の袋に入れて、
葬儀社の人に挨拶をした。
僕が「ありがとうございました」と言うと、
その後に後ろから姉がくっつけて「ありがとうございました」。
母が「お世話になりました」と言うと、
その後に後ろから姉がくっつけて「お世話になりました」。
輪唱ちゃん。
そして、
一旦父のお骨を持って母の住むマンションへ。
後片付けやお骨のセッティングなどをして、
(四十九日まで用のセッティッグのセットがあるのよ)
しばらくして自分の部屋に戻った。
その日は早くから本当によく寝た。
それが、
28日。
もう一年前だ。
早いなぁ。
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父の性格や考えから言って、
それから、
もう顔見知りの親戚がほぼいないし、
友人もいないというのもあって、
さらに、
母も今は本人が体がタイヘンというのもあって、
とりたてて一周忌はしない。
「丸一年」の26日は、
もし時間があったら仏壇に手を合わせに行こうか、
とも思ったけれどムリだった。
仕事をしていた。
25日出しのイラストを終えたばかりで、
1日、4日、11日の〆切りのイラストが控えている。
でも、
今日28日は、
木曜で毎週顔を出している日だ。
夕方から行く。
その時にちゃんと改めて拝んでくる。
父には最後までちゃんと付き合った僕だから、
まあ、父も許してくれるだろう。
周りの人も、
「どうなんでしょうかねぇ」なんて、
僕にいちゃもん付けたい人以外は分かってくれるだろう。
●
母のところに行く、
といえば、
先週、
母から朝に、
「体がタイヘンなので、
早く帰って今晩の食事を作るのを手伝ってほしい」
と電話があって、
「仕事があるのですごく早く帰るのはムリだけど、
出来るだけ早く帰ってそこから何か作るよ」
と返事した、ということがあった。
それから仕事をして、
「出来るだけ早く食べられるように」と、
その前の晩に作った、
「うす揚げと小松菜のたいたん(炊いたもの)」
の残りを持って行った。
すると結局、
母が頑張って作っておかずは作ってあった、
たから、
「うす揚げと小松菜のたいたん(炊いたもの)」は、
必要なくなったので、
次の日の朝食用にまたもって帰ろうと冷蔵庫に入れてもらっていた。
が、
帰る時にうっかりそれを持ち帰り忘れた。
帰りの乗り継ぎの駅で、
ハッと気がついて、
「あっ、マズイなぁ」と思った。
というのも、
姉は多分アレには興味津々で(特に食べ物には)、
あれを食べて、
もし美味しかったら、
「おかあさん、美味しいからまた作ってもらったらいいんとちゃう?」
なんて母に言って、
またすぐに人をアテにするかもしれない。
母を使って。
逆に姉にとって味がイマイチなら、
「おかあさんの作った方がやっぱりおいしいわ」
なんて母を持ち上げてるかもしれない。
そしてもし美味しかったら、
「ハジメのあれ、美味しかったわぁー」
と妙に褒めて持ち上げてくるかもしれない。
なんかヤな感じになるかもなので、
しまったなぁ、
めんどくさいことをしてしまったなぁ、
と思った。
けど、
置き忘れてしまったものは仕方ない。
今日どんな反応があるか、
逆に何も無いか、
じっくり見ておこう。
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で、
今日。
昼過ぎに母から電話があった。
「先週近くの医院に行って先生にああ言われたけれど、
やっぱり背中が痛いので、
ちょっとまた別に病院に行ってみてもらおうかなぁ、
と思うので、
またハジメついてきてくれへん?」
と。
はい。
いいよ。
付き合うよー。
姉はどうせ、
「忙しい」からと連れて行ったりしないだろう。
僕もイラストは年末進行で忙しいけれど、
気持ちを優先して、
何とか時間をやりくりして行こう。
何事でも最初のとっかかりや手続きが面倒なもので、
その部分は絶対にしないのだ、姉は。
で、いろいろと用意が整ったら、
それに乗っかって「ワタシもしたもん」なんていう、
いつもの感じになるのだろう。
もうそれでいい。
もし姉が前からたまにあるように休んでる日があって、
それになんとなく気づいても、
知らないふりしておこう。
「あれはあれで、あれがああやったから」
なんてことを言い分けっぽくガンガン言っても、
普通に聞いておこう。
本当の答えと結果は、
きっと、
もっと先にあるんだと思う。
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ところで、
明日金曜は、
友人と会う。
「そんな忙しい時にすいません」
と申し訳なく思ってるかもしれないので、
それがちょっと逆に申し訳ないんだけれど、
でも、
それは会いたいなぁと。
忙しかったりなんだかんだするから、
逆に友人の顔を見て、
気分転換もして、
ちょっとホッとしたいなぁと思ってて。
ので、
気にせずにいてもらえるといいのだがと、
疲れたような顔していたら申し訳ないと、
思いつつ。
(風邪っぽいのも治ってないし)
では、
ちょっと仕事を進めてから、
母のところに向かおうと思います。
ここまで。
写真のない「プレーン」で。