土曜日、
よく一緒に飲みに行く友人の[よ]と突然、
「ビアガーデンに行こう」という話になって、
〝暑いのでいいなぁ!いいなぁ!
締め切り前だけどサッと帰るなら是非是非行きたい!〟
と言うことで夕方から梅田に出た。
が、甘かった。
「予約なくても当日でいけるやろ」
と思っていたが、
どこも客がいっぱい。
ビアガーデンは数年前から人気だ。
一時は廃れていたのになぁ。
昭和の中頃からしばらく全盛期だったけど、
でも僕が若い頃にはもう古いスタイルになっていて、
「オシャレじゃない、食べ物まずい、接客イマイチ」
っていう感じである時期は人気がなくなっていた。
百貨店ではビアガーデンをやめていたところもあったように思う。
20代の頃に廃れたビアガーデンに行ったことがあって、
バイトの高校生がスニーカーの後ろを踏みながら、
やる気なさそうにマズイ枝豆を持ってきてガッカリしたこともあった。
まぁそういうもんだとも思っていた。
が、最近はまた、
少なくとも都市部では人気なんだなぁぁ。
ビアガーデン。
●
そういうワケでビアガーデンはあきらめて、
去年ふたりで行った、
炉端焼きの店に行った。
「炉端焼き」。
これまた僕らが若い頃までに人気のあったスタイルだ。
調べると70年代に最高に人気があったみたいだけど、
僕の20代くらい(80年代)にもまだよく目にした気がする。
お兄ちゃんやおっちゃんが、
前に並んでいる食材を網で焼いて、
離れたお客さんに、
長い棒の着いたしゃもじのようなもの、
もしくは、
船をこぐオールのようなもので渡してくれる、
そういう形式の居酒屋だ。
絵にするとこんな風。
↓
でも、最近では、
昔ほどはもう耳にしなくなった気がしていたんだけど、
去年、
[よ]がたしか本だかで探してきて、
「ここ行ってみーひんか?」と誘ってきた。
「え? 炉端焼きー? ナツカシイなー、今もあるんやー」
と驚いて興味をそそられた。
「そやろー?」と19才から一緒に飲み続けている[よ]も。
しかもおまけに、
見せて貰ったそこのメニューを見てみると、
近頃ではあまり見かけなくなった、
「大ジョッキ」がある。
「おおっ、大ジョッキ!!」。
いつしかヨノナカでは「中ジョッキ」の、
「生チュー」が主流になってしまったが、
僕らが若い頃にはあちこちの居酒屋にフツーに、
大ジョッキがあった。
よしっってんで、
去年の秋にそのお店に行ってきた。
その後、
また別の時に[よ]と一緒に梅田の繁華街を歩いていたら、
何軒か「炉端焼き」の店を見かけたので、
「また炉端焼きが人気になってきたのかなぁー」
なんて言いあっていた。
●
前置きが長くなってしまったけれど、
とにかくこのあいだの土曜日、
ビアガーデンはあきらめて、
その炉端焼きのお店「漁火」に行ってきた。
で、
今回のこの記事の本題は、
ここ数回言い続けている、
「日本の食の暮らしはすばらしい」
という話なんだ。
これを見てよ。
↓
すばらしい!
そのお店の席の前の食材の写真なんだけど。
海の幸、山の幸。
われわれの「山、平地、水、そしてグルッと海」
という立地のしあわせ加減。
しかも、
それを竹の串にさしたりしている、
こちょっとした日本的な工夫も。
もちろん、
近年になって外から入ってきた食材もあるけれど、
それらもしっかり自分たちの、
良い水の土地に根付かせて、
おかけでこの幸せなありさまだ。
そんでもって、
魚、貝、鶏、豚。
この国のこういった状況に慣れた僕らは、
こんな光景を当然のように見るけれど、
例えば、
「国土の多くが砂漠」、
のような国から来た人がこれを見るとクラクラするんじゃないだろうか?
とそんな風に思ったりするのだ。
これはやっぱり、
この国に生まれた幸せに感謝しながら、
ちゃんとした食べものをちゃんと食べてあげるべきだなー、
と強く思ったりしつつ、
生ビールグビグビのんで、
「うまいなー、今年のトウモロコシわぁぁー」、
なんて[よ]と言いあいながら笑った。
そう、
こういう幸せの食材を前にしては、
しゃべって笑って楽しむ!
そうじゃないと海の幸山の幸に失礼だ!
「愚痴」なんてもってのほか。
それにしても、
食材の真ん中で焼いているにいちゃん。
いや、若いコからみたら、
「おっちゃん」な感じなのだけれど、
どう見ても僕らからみたなら若いので「にいちゃん」。
もうほんと複数のお客に、
「そろそろまた何か焼きましょうかー」
といいながら、
ちゃんと食べ物をひっくり返して焼いて、
それを、よっ、と順に棒で渡して、
タイヘン&すごいなーなんて感心していた。
しかも、あの熱そうな火の前で。
で、まだ客がそう多くない時に、
その「にいちゃん」が突然、
「サマージャンボ宝くじは買いましたんー?」
と僕らに聴いてきたので、
「いや、買ってないですー」
と言うと、
「もし当たったらお客さんやったら何に使いますぅー」
と聴くので、
「そりゃー、まずここに来ます! で、
ここからここまで全部ちょうだいーって」
と言うと、
後ろに立っていた女性店員の愛想のいい〝山内さん〟が、
「あはははは」と笑った。
もちろん、
時間制限の2時間飲んで食べて、
阪急電車でササッと帰った土曜日。
そんなこんなです。
That's all for now.
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