先日、
歌舞伎関係の本をようやく読み終えたので、
次の読み物に進むことにした。
まず、
7.8年くらい前に、
東京の友人のMっちゃんにもらった本。
京都で農学者だった彼のお父さんが、
翻訳と出版に携わった本だ。
『暮らしを支える 植物の事典』
そのお父さんは、出版作業の完了前に、
たしか海外に出かけている時に急逝されて、
この本はその後関係者によってまとめられて出たものだ。
で、その当時、Mっちゃんから、
「亡くなった父の本が最近出て、よかったら1冊もらって」と、
東京に行って会ったときだったかにこれをもらった。
「せっかくもらったのだから読まないと」と思いつつ、
厚さもあるし、
「難しい研究書じゃないか?」という勝手な思い込みあり、
なかなか手が出なかった。
しかし、
たまにパラパラめくってみると、
「どうも難しくはないみたいだ」、
ということがなんとなく解ってきたし、
さらに内容が、
「ふだん何気なく見過ごしている、
衣食住に関わって原材料になっている植物について、
色んな視点から見たものだ」
ということも解ってきた。
つまり、
僕らが何気なく使ってるものの中に沢山ある、
植物を原料として使われているものは何か。
何に何が使われているのか。
そのそれぞれの特徴や利点や問題点や危険性、
それらにまつわる話と現状が書かれているみたいだ。
こういう内容っていうのは、
これをもらった7.8年前よりも、
最近の方がよりタイムリーな内容かもしれない。
(この数年で多少古くなったこともあるかもしれないけれど)
ので、
このずっと読まずにおいていたこの本を
ちょっと読んでみようという気になった。
そういえば、
ちょっと話は変わるが
そもそもMっちゃんとは、昔働いていた、
大阪にあった会社で一緒だったのだけれど、
そういえば、あの当時、
会社のメンバー何人かで昼食に出たことがあって、
「Mさんのお父さんは何をしているの?」という話になり、
彼が「農学者」といったら、
Saちゃんという会社の女のコが「お能をするの?」と言ったので、
「ちがうちがう、それは能楽師」と言って、
みんなで大笑いしたことがある。
けど、今になってみれば、
「まぁ、そんな風に人を小バカにして笑うもんではなかったなぁ」
なんて、
バカでチビッコでも通用した古い時代を、
ちょっと反省したりしたりしている。
で、
その『暮らしを支える 植物の事典』を、
これから読むのだけれど、
ページ数が多くて厚みもあるし、
サイズもそこそこ大きい。
カバンにポイッと入れておいて、
電車に乗ったときなどにひょいっと読む、
というワケにはいかない。
が、そういった本も欲しかったりするので、
そういう時用に、
ちょっと前に買った新書もちょくちょく読むことにした。
『ふしぎなイギリス』。
もちろん、
6月の終わり頃にロンドンに行ってきたが故の、
1冊。
帰ってからなんとなく、
イギリスについて書いた本が読みたくなって買ったのだ。
実は、
前に「ロンドン行き」に関してここに書いたときには、
あまり触れなかったのだけど、
向こうに行ってなんとなく肌で感じて帰ってきたことがある。
それは、何かというと、
なんかすごく「自由」みたいな「空気感」を、
なんとなく感じた、
ということ。
どう言ったらいいのかなぁ、
別にあからさまに何かあったというワケでなく、
みんな普通にしているのだけれど、
なんとなくひしひしと感じる「感じ」が、
「キミ、自由にしてていいよ。
こっちも自由にしてるから」
という空気感と言ったらいいのかな。
今の日本は、
どちらかというと僕には、
「ワシの勝手にさせてくれや!
勝手なことさせてくれへんねんやったら、
おまえも勝手なことさせへんで。
ワシのまわりに無い勝手をするんやったら、
アンタの目の前でネチネチ嫉むでー、
恨むでー、イヤミ言うでー、
あること無いこと無いこと無いこと言うでー。
けど、一方でやな、
ワシの方は、ワシの勝手にさせてくれやー、
ええやないかー、なぁぁぁ、あー?」
みたいな感じというか。
まぁ、とりたてて何かそう、というワケではなく、
全体としての雰囲気というか空気感というか。
まず「キミの自由」なのと、
まず「ワシの勝手」なのは、
かなり違う。
なのだけれど、
まぁ何と言っても、
僕がロンドンに行ってきたのはたかだか一週間。
もし、
「そんなん一週間で、そういうコトが解るもんですかねぇぇぇ、
僕なんかは解らないですから、解らないんじゃないですかねぇぇ」
というネチッとした疑心暗鬼な人がいたとしたら、
たしかにそのとおりのことだ。
キミのおっしゃるとおりだ。
まちがいは無いです。
正しいです。
だから、
そのあたりのコトで何か書かれていないだろうかと、
この筆者も何かそういうコトを感じただろうかと、
そう思い、ちょっと確認もしたく、
読みたいと思った1冊でもある。
しかもこの本、
出たのが今年の5月。
つまり、情報や雰囲気としても、
「今」のことを書いている。
まぁ、そういう意味でも、
なんだか丁度いい1冊だなぁと思い、
これまた読み進めるのを楽しみにしている。
ところで、
最初に紹介した、
『暮らしを支える 植物の事典』の、
原書の著者は、
アンナ・レヴィントンという人なのだけれど、
実はこの人はイギリス人で、
つまり『暮らしを支える 植物の事典』は、
イギリスの本と言える。
て、ことは、
大阪で働いていた頃からの友達のお父さんが訳したイギリスの本、
と、
大阪で働いていた頃の友達の暮らすロンドンで感じたコトを確認したくて買ったイギリスに関しての本。
と、
いうことなんだなぁ、
これが。