次の次の号の「ラッキー! クロスワード」誌用の、
"なごむ亭元楽"名義のヒーローパズル完了。
(C)Hajime Sano
(このブログへの掲載は編集部の許可を得ています)
で、例によって、
パズル誌のイラストを紹介した記事のときは、
そのタイトルや絵から何か言葉を拾って何か書く。
「バナナ」<そんな感じ>
バナナは、
「さりげなくシュッとして、
それでいてしっかり自分をアピールできるヤツ」
という感じがする。
まず、あの色。
黄色という目立つ色を持っているのだけれど、
しかし、レモンのピカッとした黄色に比べると、
ちょっとだけ優しい感じがするさりげない黄色である。
それから、あの形。
ほっそりとスマートで無駄がなく、
持ちやすく食べやすい。
例えばパイナップルなんてのは、
「オレはオレでオレさまじゃー」なんて、
派手な形で自己主張する割には、
扱いが難しくヒトの事を考えていない。
おまけに食べられるところへ行き着くまで、
かなりヒトに手間をかけさせるし、
食べる時は「あれっ? 芯が無いのね」って感じだ。
その点、バナナというヤツは、
ササッと剥いてササッと食べられて、
ほんとにキモチがいいし、
付き合っていてこっちの気もラクだ。
人に余分な負担を与えない気遣いなあの感じがいい。
だからと言って、
「個性が無くて、何でもヒトの言いなり」、
という訳でもない。
まず、皮を剥いて出てくる中身が、
静かに個性的だ。
薄い黄色の表面に細かく「ガタガタガタガタ」と、
細かいギザギザの段々が、ゆるく入っている。
普段何気なく観ているが、
案外なかなか、他の誰もやらないカッティングだ。
あのカッティングをみるといつも、
「何気なくカッコイイことしてるなぁ、コイツ」
と思ったりする。
さらに、
皮を剥いていると時々、
ヒモのようなものを「サッ、ヒュッ」出して見せたりして、
ちょっと「おっ」と思わせる意外なところもいい。
そして、
うっかりと存在を忘れたりすると、
表面を茶色にして「早く食べてもらいたい」と、
自己の主張をアピールすることも忘れない。
でも、
それでいながら、
少しくらいの茶色であれば、
皮を剥くと中はまだ食べられるキレイな状態だったりする。
アピールはするけれど、
すぐに「もうっキライッ」なんてヘソを曲げきってしまったり、
しないところがいい。
ヨユーと優しさがある。
かといって、
その優しさに甘えていると、
表面が柔らかくなって、
ヘタから1本おるときに、
枝の部分で折れずに皮の上のほうからベロリンとはがれたりして、
「ここが柔らかくなるまで放っておいたアナタのせい」と、
チクッとアピールする。
そして、
さらに放っておくと、
とうとう怒って、
皮を剥くなり「でろでろでろりーん」のグニュグニュになって、
ひどい仕打ちを受けたことを、
強烈にアピールして後悔させられるのだ。
このように、
バナナというヤツは、
なかなかのモノである。
そんなこんなです。