「スーパークロスワード」誌の次の次の号の、
"なごむ亭元楽"名義のネコパズル完了。
で、例によって、
パズル誌のイラストを紹介した記事のときは、
そのタイトルや絵から何か言葉を拾って何か書く。
「キューリ」<食べること>
個人的には、
昔はキューリと言えば、
サラダなど生野菜として食べるか、
お漬け物にしたり酢の物にしたりするくらいだった。
が、最近では、
「炒めもの」や「煮物」にしたりもする。
油でジュージュー中華風に炒めても、
豚肉や卵と炒めてチャンプル風にしても、
トマトなどと一緒に洋風スープに入れても、
なかなかにおいしい。
去年の夏は味噌汁に入れてみた。
「夏の味噌汁」といった感じで、
悪くなかった。
冬瓜の味噌汁の変形だと思えばいい。
まだやったことの無い人は、お試しを。
と、
そんな話を、
丁度同じように、
ご隠居さんが熊さんに言うておりました。
ご隠居「そやからな、熊、このキューリ、炒めたり煮たりしても美味しいからな、持って帰ったらやってみたらええで、ってゆうてんねん」
熊さん「いやー、でもなーご隠居、わては、キューリゆうたら、どうしてもサラダか漬けもんで食べるもんや思てますさかい、なーんかこう、そう言われても、今更イマイチする気がしまへんわー」
ご隠居「何をアタマの堅い事をゆうてるねん。もうとっくに昭和は終わって今は平成も27年やで。そんな融通のきかへんことゆうとって、何が楽しいねんな」
熊さん「そんなことゆうたかて、今までが "人に与えられて楽しませてもらう" ってことだけでやってきたもんやさかい、いろいろなやり方で自分でやってみろって、キューリそんなこと言われても」
ご隠居「あ、熊! それは "急にそんなこと言われても" っていうのんのシャレやな? シャレやったらワシも負けてへんで、よし。熊、そんなことゆうて、いつまでも同じことしとったら、えいきゅーり前には進まれへんで」
熊さん「それは、"永久に前には進まれへんで"ってことでっか? ご隠居も負けず嫌いやなぁ」
ご隠居「もぉ、なんでもええわ。とにかく、ウチでとれたこのキューリ、持って帰って食べ」
熊さん「ありがとこざいます。けど、こんなようさんはもって帰られまへんわ。2個くらいでよろしいわ」
ご隠居「何ゆうてんねんな。せっかく人がこんなに沢山あげよゆうてんのに。ワシが庭で作ったキューリはそんなに沢山はいらんゆうことかいな。これでもワシは熊のことは息子みたいに思っとるんやで」
熊さん「いや、それはありがたいんやけど、そこですねん」
ご隠居「どういうこっちゃ?」
熊さん「わてがご隠居に可愛いがられてるのは、このたあたりの皆が知ってます。けど、それで、結構、妬まれますねんわ。お前は何かとご隠居にええようにしてもろて言うて、それで、わてが何かしとったらジャマしたり、悪い様になるように噂したりするヤツがおりますねん」
ご隠居「おお、そやったんか。どこでも嫉妬して足引っ張るようなヤツはおるさかいなー」
熊さん「せやから、こんなようさん物もろてここから出で行くところや、持って歩いているところ見られたら、またネチネチなんかイヤな事されますのんや」
ご隠居「そやったんかー、そら知らんかったこととは言え、すまんこっちゃったなぁ」
熊さん「せやから、2.3本もろたらそれでよろしいわ。懐に入れてかえりますわ」
ご隠居「いや、しかしそれじゃあワシの気がすまん。ワシはお前にようさんあげたいんや」
熊さん「ご隠居はーん、おおきにぃー。けど、勘弁してくなはれ。わてほんま恐がりでんねん」
ご隠居「そやなー、お前がまた誰かに妬まれていじめられてもなー、けどなー」
熊さん「ご隠居はん、ほんま2.3本で。コワイことはほんまに…」
ご隠居「うーん、なんぞ、キューリ持って帰るええ方法はないかいなー」
熊さん「ほんまにほんまに」
ご隠居「あ、ほな、ウチの裏から出て行ったらええやないか。裏の庭を抜けたらすぐ川があるから、あの川のほとりをずっと歩いて行ったら丁度お前んとこの家の裏っかわに出るやないか。あそこやったら人通りも無いさかいに誰かに見られることもないやろ。そっちから持って帰ったらええ」
熊さん「へ? いやいや、それはこわい」
ご隠居「はぁ?」
熊さん「勘弁しておくんなはれ、それはあかんあかん。それは結局一緒でんがな」
ご隠居「何でやねん? どういうことやねん?」
熊さん「だってご隠居、川でっしゃろ?
キューリだけに、
カッパに足をひっぱられます。」
そんなこんなです。