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#1
今でもわからないのは、
どうして、
「僕がそのコを追いかけていた」
みたいな話になっちゃったのか?
ってことなんだ。
そんなことをするはずがないって。
しかも遠方まで。
そんなことありえない。
むしろ、
もともと、
追いかけていたのは、
彼女の方じゃなかったか。
けどね、
ほんとは無いことだけどもし、
そういうコトになっているならば、
それでもいいかなぁと、
思った。
だってさ、
考えてごらん。
「誰かが誰かのことを追いかけて探している」って、
めちゃくちゃロマンチックじゃないか、
と。
まるで、
どこか、
「別の世界」の話みたいで、
ステキじゃないか。
せめて、
そんな風にしてあげたいなぁと、
そう思ったんだ。
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#2
あの秋の日、挨拶に来たとき、
実は少しおどろいた。
たぶん彼女は挨拶には、
来ないだろうなぁとふんでいたので。
「これお祝い」と、
フランフランの包みを僕に渡した後で、
彼女は、
「結婚式に来てるかなぁと思って見ててん」と、
首をあげて遠くを眺めるフリをしながら、
そのコは言った。
でも、呼ばれてもいないのに、
普通は行かないよ。
僕はストーカーじゃないし、
そういう意味ではそんなコトをする理由もない。
そんなん言ったらあかんやんか、
もう。
そこは切り返すで。ごめんや。
なんかせつないけど、ごめんな。
と心でそう思いながら、
シラッとした顔で、
「え? そんなん、日にち知らんやんか」
と答えると彼女は、
「いやっ、大家さんに聴いてっ」 と、
あわてたように言った。
実際、僕は本当に、
彼女の結婚式の日にちは知らなかった。
彼女とは初夏のころに外で出くわして、
少し会話をして以来、話をしていない。
お盆にも見かけたけど「ひさしぶりっ」 と言った程度だ。
そして、
それからその日までの間、
大家さんに彼女の結婚の日取りを僕から聴いたこともない。
何かの話の中で教えてくれたのは、
「今度彼女結婚して出て行くのよ」程度のことだ。
ほんとうに。
だから、
この日の会話は、
そういう意味でも、
どう考えてもオカシくてミョーなんだ。
そして、
その玄関先で会話をしていた間の終止、
僕がずっと何気なくチェックしていたのは彼女よりも、
そのヨコにいた彼女のカレだという男性の方だ。
こんなにミョーな会話をしているのに、
カレはずっとニヤニヤとして立っていた。
おかしかないか?
この、僕と彼女の会話。
ねぇ、ニイちゃん。おかしいだろ?
そう思いながら僕はまたニコッとカレを見てみた。
彼はぬっと立ってニヤニヤと笑っていた。
「ああ、こいつが一番ミョーだなぁ」
そう思いながら彼女と話を続けた。
その日そのコは、
普通の感じのピンクのトレーナーを着ていた。
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#3
その挨拶の日は休日で、
でも僕は、
部屋のパソコンの前に座って、
友人の会社のウェプサイト作りの仕事をしていた。
お昼をすぎて数時間たったくらいだったか、
チャイムが鳴ったのでインターホンに出ると、
その訪問者の声は緊張した感じの、
かすれたようなうわずったようなそんな声で、
意味も声色もうまく聞き取れなかった。
けれど、
僕はすぐに直感でピンときて、
それがそのコだということがわかった。
「え? そうか、挨拶にきたか、そぉかぁ来たのかぁ」
そう思った。
ふと手を見ると、
さっき火をつけたばかりのタバコがあった。
一度灰皿に置きかけて、
すぐにこう思い直した。
「あ、これ、持って出よう」
そのころ僕は、
彼女との間のやりとりでの中であえて、
「タバコ」という言葉をキーワードの1つにしていた。
まだ引っ越し先に居たときに出したメールでは、
「タバコをやめられない、あかんヤツやろ」と自分で書いたし、
こちらに戻ってすぐに廊下で出くわして、
「しんどそうな顔してるな」と言われた時には、
「タバコやめたからなぁ」と言った。
その「タバコ」というキーワードはきっと、
彼女の心の中にひっかかって、
そして彼女の周りの人たちにも伝わって、
きっとアチコチで語られるんじゃないかと。
「禁煙」のこと、そしてまた吸い始めたこと、
それらが語られているのではないかと。
そして、
そのキーワードがのちのちになって僕に少しずつ、
アチラコチラの色んな場所で、
何かを教えてくれるんじゃないかと。
そんなことを漠然と直感的に思いながら、
ことさら彼女に向かって使っていた。
だけど、
ただそれだけでは無くて、
そもそも「タバコ」という言葉は、
もっとずっと前にそのコの方から何度も使ってきた「キーワード」だったのだ。
僕は、たぶん、無意識的に、
同じ時を過ごした仲間としての意識で、
それを使いたかったのだ。
そしてそれはたぶん、
もともとは僕とそのコだけしか知らないことだったのだから。
彼女には、
その春に出くわした時に言って以来、
その後また吸い始めた話を直接はしていない。
きっと反応がある。
その反応を見てみよう。
必ず何か言う。
僕は確信しながらドアを開けた。
ドアノブを持つ手にはしっかりと吸いかけのタバコを挟んだまま。
外には彼女が男性と2人で立っていた。
僕はそのコを見て「よっ」と声をかける。
すると、
向かって右側に立っていた彼女がすかさず、
僕の手を指差して言った。
「あっ、タバコ!」
僕は心の中だけで、
親しみを込めてちょっと微笑んだ。
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#4
「ここ長い間おったわ」
と、
そのコは言った。
"そう、
キミは僕の引っ越し準備の時期に廊下で会った時にも、
「ワタシもここ長いわ」と言っていたね。
「じゃあもっと居てよ、僕の記録塗り替えてよ」と言うと、
「そうなるかもしれへんわ」と言っていたね。
そして、
「いや、そんなに居なくていいよ」と言うと、
ちょっと「えっ?」てな顔をしていたねぇ。"
そんなことを思い出しながら、
"でも、よかったやん、それよりも早く出ていけて"
と心でこっそりと思いながら、
「僕なんか16年やでぇ」と口にしてみた。
するとそのコは、
「でも1回引っ越したやん」
と言うので、
「ああ、リセットしたからな」
と答えると、
彼女はまたちょっと不思議な顔をした。
話を彼のコトに移してみた。
僕はこれを聴いてみたかったのだ。
「どこで知り合ったん?」
すると彼女は、
「ほら、東京の友達」そう言った。
以前に聴いていた東京にいた友達のコトだ。
もっと前に話を聞いたことがあって、
一度廊下で彼女と一緒のところを見たことのある、
そして、
ピザを一緒に食べに行った時にも話に出てきた、
アメリカ在住の人と結婚をすると聞いていた友達のことだ。
僕は聴いた。
「結婚してアメリカに行った?」
そう言うと彼女は、
「あ、ああ」
ととても曖昧な返事をした。
"アメリカに行った東京の友達の紹介"
"アメリカに行った東京の友達の紹介"
"アメリカに行った東京の友達の紹介"
と僕は心の中で文章の正誤を何度も確認しながら、
彼女の曖昧な反応に合わせて、
「ああ、そう」と流した。
"東京か"
それもまた、
彼女のいくつかのキーワードのうちの1つだ。
そして、
話がうますぎるほどに、
彼女の方から、
「東京」の話題へと進んだ。
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#5
「東京に行ってたって?」
と、
そのコは聴いた。
それに対して僕が、
"どうしてそれを知ってるの?"
というような顔して見せると、
すぐにカノジョは、
「あっ、大家さんに聞いてん!」
と付け加えた。
"そうか、キミは自分から東京のコトを聴くんだ。
神さまは、東京とキミとのつながりを今ここで僕に確定させちゃうのかぁ"
と僕は瞬時にアタマを巡らす。
東京にはその10日ほど前に出かけていた。
彼女が聴いたのはそのことだ。
その年に入ってから、
僕はたまに東京に行くことに決めた。
「そろそろ東京の仕事先にはちゃんと顔を見せないと」というのがまず大きな1つの理由。
そして、東京にはプライベートで親しい人か何人かいるので、
メールのやり取りだけでなく直接会って楽しみたい、
というのがもう1つの理由。
まずその年の春に東京へ行った。
ほぼ10年ぶりの東京だった。
そして、
秋が始まったばかりのその数日前に、
今年に入って2回目の東京を、
今度はプライベートを中心に行ってきた。
その春と秋の東京行きで見たコトは僕のアタマに残っている。
浜松町で僕を見てニッと口もとを上げた、
背の高いウェーブの髪にサングラスのセレブ風の女性。
空港で「知っている」みたいな感じにウレシそうな顔をしながら、
前からカートを引っ張って歩いてきた女性。
京王線に乗っている時に停まった駅のホームの上で向こうからこちらを見て、
ニヤッと笑ってブツブツとつぶやきながら携帯を取り出した黒いコートの女性。
新宿のサラダのお店でこちらを見ながら「アタマ回るナー」「回りすぎフフ」なんて、
しゃべっていたストライプシャツのニイチャンと黒ずくめのほくろと帽子の女性。
極めつけは、
新宿に聴きに行った友人が出ているジャズのライブで、
開演のギリギリに走って入ってきた女性ボーカリストの友人らしき女性。
ボーカリストと顔を合わせてから、
「追いかけてきたんやな」と言ってこちらを見た。
"おや?"と思いながらうっすら横目でみると、
「ウオッチングしよか」なんてウレシそうにコチラを見ていた。
"はぁ?!"と心で思いながら、
意識的にはっきりとソチラに顔を向けると、
二人とも顔を首からストンと下げてバツのワルそうな表情で、
「うふふふふん」とチビッコのように二人で笑った。
"なんで? だれが誰を追いかけているって? はぁ?"
そう心で思いながら、
"もしかしてそういうコトになってるの?" と、
とりあえずの仮説をその時に胸に入れた。
そして彼女たちが口にした「ウオッチング」というコトバ。
それは僕がその1年ほど前に芦屋のレストランで食事をしている時に、
明らかに妙な反応をしている斜め前に座った黒いコートの女性をあえて絵にして、
ホームページに載せてみた時に付けたコトバだった。
"これって、繋がったのかもなぁ"と僕は思っていた。
東京では他にも、
すれ違いざまにニヤッとしたニイチャンや、
入った店で妙に神戸のコトを聴いた店員のニイチャンや、
美術館でずっと同じあたりを見ていた若い男女や、
空港でみかけたちょっと独特の空気感を出していたカップルとか、
「疑問符」をつけることの出来る人たちはいたけれど、
さすがにそこまでいくと「被害妄想」とか「誇大妄想」の域に入りかけてしまうので、
とりあえずは心の中で「保留」の札をつけて気にしないでおいた。
その分を差し引いても、
東京でみたそれらの「ん?」は僕の中では、
その時以前の記憶とつながってた。
一年ぶりにこのマンションに帰ってきてからの記憶。
近くでママチャリに乗りながらこちらを見てウレシそうな顔をしていた女性たち。
こちらを見て「ハッ」というような顔をしたミニを洗っていた近所の女性。
山幹沿いを歩いていると「ニッ」と口元を上げた黒い日傘にサングラスのセレブ風の女性。
六甲道FORESTAでカートを横に置いて立って「知ってる」見たいにニヤッと笑った女性。
前から歩いてきてすれ違いざまに「へへっ」という顔をしたニイチャンやオッチャン。
クルマを運転しながら「あはっ」てな感じにアゴをあげて反応した女性。
オニイチャンが何かつぶやいてヨコの彼女がオモシロそうにカレを見上げたみたいな、
よく行く酒屋のヨコのマンションから出てきた独特の空気感をだしていた若いカップル。
ベランダで洗濯物を干していたらママチャリで口をゆるめて走っていった女性たち。
近くのスーパーでレジを終えた時に店に入りつつ一人でブツブツつぶやいた女性。
そのスーパーの近くでママチャリに乗りながらブツブツつぶやいていた女性。
国道沿いの喫茶店でこちらを見て「愛すべき存在やけどな」と喋っていた女性たち。
三ノ宮の地下の食堂街でで口もとをニッと上げたサングラスの女性と、
たぶん同じ彼女だと思える近くを自転車で走っていたサングラスの女性。
阪急御影の近くを自転車に乗っている時に見かけた、
オニイチャンの
遡ってその半年前まで1年暮らした芦屋で見た記憶。
駅の近くや川べりの道で歩きながら「知っている」みたいな顔をした女性たち。
同じようにアチコチで見かけた「ニッ」と口元をあげたセレブ風のサングラスの女性たち。
こちらを見てコソコソしゃべったりしながら歩いていた黒いコートの彼女たち。
阪急のホームで電車待っていた時に向こうからニッとした顔でこちらを見て、
そのあと乗った車両で初対面風の男性とアゴを上げて女をふりまいて話をしていたサングラスの女性。
近くのお店でチラチラこちらをみて手帳を広げていたまるで「マネージャー」みたいな感じの男性と、
あとで入ってきてその横にいた帽子を深くかぶった黒ずくめの服装のほくろと帽子の女性。
商店街で振り返って僕をみていたどうみても恋人同士ではない感じの男女。
ママチャリに乗って同じように「知っている」みたいな顔をしたママさん風。
阪神芦屋近くのにしむら珈琲でこちらをチラッと見て笑っていた、
オカッパ風とウェーブヘアの2人の若い女性。
僕を見かけてニッとした若いニイチャン。
オニイチャンが何かつぶやいてヨコの彼女がそれに反応してカレを見上げるなんて感じの、
駅に向かう途中ですれちがった独特の空気感をだしていた若いカップル。
実家のある門戸厄神の地下通路でカカカとわざと靴音を面白がってたてて、
同じ電車にのって芦屋で降りて階段のところで意識的に立ち止まった同じカップル。
阪神電車のホームからキャップを深くかぶってコチラを携帯カメラしていた背の高い2人の女性。
駅前の銀行の前でウレシそうな顔をしながらこちらに携帯の表を向けていた女性。
そして、駅北側の商店街で僕に気付いて黒い日傘を取り出しさして走り出し信号の前で顔を隠していた彼女。
開森橋の交番から東に歩いていると向こうでこちらを見てから走り出し途中の路地にカクッと曲がった女性。
さらに遡って、芦屋に行く前の数ヶ月のこの近くでの記憶。
ベランダに立っていたらその下を「ニッ」とした顔をしながらママチャリで走った女性。
下を歩いてこちらに気付いてきびすをかえとした黒い日傘の少し不自然な「人妻風」の彼女。
オニイチャンが何かつぶやいてヨコの彼女がオモシロそうにカレを見上げるなんて感じの、
下の通りを歩いていた独特の空気感をだしていた若いカップル。
山手幹線の近くでニッとしながらすれ違った白い服装に赤いジャケットを羽織っていたカールヘアの女性。
朝ゴミを出しにいくと山側から黒い日傘をさしながら意味ありげに楽しそうな笑顔で走っていった、
それまでにも何度も見かけたことのある口元の色っぽい彼女。
引っ越し先を探して住吉山手を歩いていたときに最初に「あっ」という顔をしてそのあとニヤニヤと通り過ぎた女性。
前のマンションの隅から南へコソッと出てきて緊張したような空気間を出しながら不自然に北へと曲がった彼女。
前のマンションの隅から出てきてベッとツバを履いたちょつとワルそうなニイチャン。
阪神御影を北に行った2号線沿いの交差点でニヤニヤしたニイチャンに手をつながれながら、
緊張した感じで横断歩道を通り過ぎた白い服に赤いジャケットでカールヘアの女性。
雨の日にマンションに帰ってきたら傘の下で口をニッとさせた、隣の家の黒いクルマから降りてくるのを何度か見かけたことのあるニイチャン。
そして、
マンションの下を駐車場の方までまるで気つかれないようにと走った女性、
日曜の昼に目蔭駅までの道の途中で一度こちらを振り向いてから走り出した女性、
夕方3時半くらいにマンション下の駐車場で大家さんと話していたら山側から走ってきて、
コチラを見たとたんにカクッと西への路地に走って言った女性。
弓弦羽神社にお参りをしてフッと振り返ると鳥居のあたりからコチラを見ていて、
そちら側に歩き出すと山幹方面へと向かって突然走り出した白い服に青いジャケットの女性。
大家さんと玄関先で話しているとマンション前の路地をキユッとした空気感を放ちながら歩いていた、
白い服に赤いジャケットにクリクリロールヘアの女性。
そして、
そして、
阪急三ノ宮のホームで
三ノ宮で
********** 以下、草稿 ************
けれど、
どの部分がどれがどうであれ、
僕の中でそれらは、
半年前まで1年いた芦屋でみた、
黒いコートの女性たちや、芦屋柄沿いでニヤッと笑った女性や、
コソッとハナシをしなから通り過ぎた女性たちや、
ニヤニヤしているニイチャンたちに繋がり、
まるで屋根に落ちたそれぞれの雨が、トイに流れて集められて一箇所に落ちていくかのように、
そして、玄関前で挨拶に来たカノジョが、
僕の中に「確定」のスタンプを押そうとしているのかもしれない。
芦屋の竹園のレストランでみかけた、妙な反応をしたアル女性
空港で前からカートを引きながらいかにも「知ってる」見たいにニヤッと笑った女性。
六甲道でカートを横に立っていかにも「知ってる」見たいにニヤッと笑った女性。
当時下の部屋のニイチャン。
あの彼女がどうして、
大家さんに下のニイチャンのコトで電話したのか?
嫌っていたのに。
雨の日にエントランスで意味ありげにニヤッとして、
さっと駐車場にでていった下の階の真ん中の部屋の女性。
→そのずっとあとにすれ違っている。
当時隣のうちの黒いクルマで出入りしてたニイチャンが、
あの雨の日に僕を見て、カサの下からニヤッとした顔を見せた。
「仕事先にはちゃんと顔を見せたい」と思い、
「東京に行ってたって? 大家さんに聞いたけど」
「うん、普段さ、部屋におるやん?」
「しっ、知らんで!!」
その反応は知っているというコト
昔から知っているはず。
しらんでの3ツメ。
ごめん、反応しちゃうようなコト言ってしまって。
「いやいや、たまには出て、仕事先の人に会わなあかんなーと思って」
「ふーんってな感じやな?」
てことは違う噂があるんだ。
「お風呂できたしな」
「うん、お風呂いいでーっ」
「ずるいねんでー、自分だけー」
「何いうてんねん、自分ももうすぐ新居やん」
「結婚しましたハガキ作ってもわおうかとゆうててんな」
どっちが言ってた?
メールもこなくて隠れたりするのにそれはオカシイ。
「年賀ももらってへんしな」
「ああ、引っ越ししたからな」
「結婚しましたハガキ送ったら年賀くれる?」
「え?住所知らんやん?」
「え!!引っ越すの? 東京?」
でもなんで東京なんだ。
結果的にカマかけたことになってしまった。
ごめんな
「あ、こうこうな」
「引っ越し、大きいトラックがきてたよな」
「実家にあったものもっていっていってん」
「ここもそんなに荷物ないし、服もあんまり持ってないし」
彼の方を見て、
「ワタシの方が服、多いやんな?!」
彼はうろたえて、
「な、何いうてんねん」
彼女のそういうツッコミは、
昔から好きだ。
「披露宴は?」
「ニュー大谷」
「新潟からお父さんが来てな」
「え?そこに住んでるのとちゃうの?」
「うん、そこやけどな」
「引き出物が重たくてカワイソウやってん」
お父さんが好きな彼女らしい。
一番本当の気持ちっぽいところ。
別れぎわ。
「仕事中ごめんな」
どうして仕事をしてたのを知ってたの?
でもね、
なんだかヘンテコでミョーでも、
挨拶ににきてくれたのはウレシかったよ。
ご縁。
・芦屋
・オカッパの彼女。バス道、にしむら珈琲、「うまか棒」の県庁勤めの彼女?
黒いコート。芦屋川のところで「ちゃんとそう言ってあげなよ」するとかのじょ「ふふふ」
・ホームから三ノ宮行き、最後尾車両、セレブ風サングラス、乗り込んで初めて会うよな男性に女ふりまいて、 サングラスとって、「若いなー」と?(想像)手を組んで前にだして体前に倒しつつアゴをあげる「ふふふ
ふ」。
背の高い、セレブ風のスタイルで髪の毛がクルクル、ヘアマニュキア? サングラス、のあのカノジョ。
体の動き方を憶えてる
・東京
ごめんよ、そもそも第一印象が悪かったんだ。
2001年の春自転車置き場で
---
あの12月にまるで僕に見られないようにとマンションの真下を走った。
その日からキミは走っていた。
そのコ走った日
・日曜の御影の手前、うしろからニヤニヤにいちゃん。
・弓弦羽神社、鳥居のところでじつとこちらを見てから、山幹方面に走った、ブルーの上着白いスカート
・芦屋、開森橋から東への道を東へ、カクッと南へ。
・JR芦屋の山かわ商店街、こちらを見てから急に日傘を出しながら走る。カクッとビルのエスカレーターを上がり、
向こうの業平橋?のところでだっと降りて信号わたる。降りる時が、とんだ足の形からハイヒール?
・JR芦屋ゆうびん局の通り、僕に気付いてくるっときびすをかえした。めがね。きびすの返し方が、あのカッパ川の大仏橋の時と同じだった。
それを見たら、いくら少し心が動かされても、
ねう無理だろう、
前から声をかけた日。
思い切り驚いた日、普通じゃなかった。まるでマイクでハナシでもしていたかのような、
他に気をとられていたかのような他に注意、
口では「そんなに驚かんでもー」と言ったけれど。
カワイソウになってしまった。
ピザに行った日、何も言ってないのに「風邪やったらやめとこか?」と彼女。
なぜその場でセキもしていないのにそう言ったのか?
そして、
「かわり者が住むんや」とか「県庁の近くがいいで」とか、
僕が部屋で電話で人と話していたことを、
彼女には何も言っていないのに言ったのか?
日傘の彼女が前のマンションからコソッと出てくる。
黒い服ヒョウ柄。
赤いジャケットに白いヒラヒラとしたスカートでグッとなりながら歩いていた。、
黒いヒョウ柄、
そんなのは初めて見た。
丸山公園に行ったひ
駐車場、ニヤニヤニイチャンの横に、
髪の毛盛りの女性、シートを倒して後ろに低くなってた
ニイチャンがまるで「ほらほらきたきた」と言った感じに、
盛り女性の方をパシッと合図。
門戸で、
自転車に乗りながら、
よこの女性に「ほらほらきたきた」と言った感じに、
もう一人の方をパシッと合図。
ニヤッと笑ってうれしそうにすれ違うニイチャンたち。
場所→あとで場所を全部リストアップ
つぶやきながらすれ違う女性たち
場所→あとで場所を全部リストアップ
若いカップル。
ちょっとワルそな兄ちゃん、
小声で何か言う、
横のねえちゃんウレシそうにカレを見上げる。
そのパターンが、
・この下の道、宮崎さんの横のマンションから出てきて、
前の駐車上にとめているシルバーのくるまにのってた二人。
・芦屋ですれ違った、また、夜に門戸から乗って芦屋で降りたあの二人。
・そのあと、最近では一宮あたりですれ違った二人。
でも、
それも神さまがくれとたご縁だと思うんだ。
それは、僕にあたえられたことだった。
あれから、僕の名かの何かは少しカチッと変わったよ。
でも、それは悪くはない。
そうして、
それは、
今はもう一人の、
別のトコロで知り合ったあるコに繋がっている気がするんだ。
カノジョがまったく関係亡いハナシをしているときに、
「みんな心の中ではバカやと思っているで」とウレシそうに言ったときに、
「おや」と気がついた。
ああ、あれがカノジョだったのかと。